Ｔｏｐａｚ (ページ26)

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小さな背中＿3 ページ26

涼介side

今日は………一日、最悪で。

授業中に気分が悪くなり座っていることもままならず、席からずり落ちて保健室へ運ばれるとベッドからずっと起き上がれなかった。

中「……熱、どんどん上がってるよ。迎えに来てもらおう？」

涼「ぃ、……だいじょぶ…だから……まだ…」

慧くんは取引先の人と会うと言っていたし、大ちゃんは言わずもがな……連絡はしないで欲しいと頼み、放課後まで待ち裕翔に家まで送ってもらうことに。

中「ちゃんと休むんだよ？」

涼「ん、………ありがと」

ゆっくり歩いていたから、家に着くのがいつもより遅くなった。

既にリビングには電気がついていたから大ちゃんもう帰ってきてるんだな…って行ったら……物凄く機嫌が悪い。

外には今朝干した洗濯物が風で揺れていて、雨の音がし始めても…いいよ、別に…って。

だから、本格的に降り始める前に俺が家の中へ入れたけれど洗濯物は若干濡れてしまったし、俺自身も当てられて…治まっていた頭痛がぶり返した。

でも……これ以上機嫌を損ねたくないし……俺が何か言うと気に障るみたいだから黙っていたけど……

大「……ムカつくんだよ…」

そう聞こえた……

大ちゃん、高校生なのに家のことをやって遊ぶ時間もない……俺が何も出来ないから苛立たせるんだよね。

せめて、こんな日くらいは休ませてあげよう……

涼「…いいよ……あとは俺がやっておくから」

途端に動いた背後は………大ちゃんが二階へ駆け上がった音で。

振り返ってももちろん誰もいない。

涼「………慧くんと侑李が帰ってきちゃうや。買い物行かないと……っん、」

………とりあえず、自分の財布を持って近くのスーパーまで向かった。

慧「ただいま～」

侑「ただいまぁ！」

涼「……ぁ………ぉかえり…」

具材を切って鍋に移し、これから煮込みに入ろうとしていると………二人が帰ってきて。

リビングに来た慧くんは俺がキッチンに立っているのに驚いていた。

慧「涼ちゃん、大ちゃんは？」

涼「うん………」

侑「りょおすけ、きょうはカレー？」

涼「侑李の好きなバー◯ンドカレーだよ」

侑「やったぁ！」

慧「おぉ～じゃああとは慧くんが代わるよ」

あとは煮込むだけだから……代わってくれると言うので代わってもらう。

大ちゃんはいつもこんな毎日を送っていて、休める日なんて無い………それなのにあんな言い方したら怒って当然だ………