Ｔｏｐａｚ (ページ3)

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山田家＿2 ページ3

涼介side

朝起きたら………既にリビングに大ちゃんがいて……制服姿の俺を見るなり怪訝な顔になり叱られた。

でもまだ一人しかいないうちに……と無理矢理家を抜けて。

そのお陰で、昨日の夜から何も食べていない……お腹すいたなぁ。

うちの家族は心配しすぎなんだ。

俺が昔から体が弱くてよく倒れていたからだろうけど……最近はそれなりに免疫もついてんのに。

いずれにせよ、こうでもしないと今日は強制的に休みにされていただろう……帰ったらまた怒られんのかな。

中「やま、おはよ！」

涼「おはよ……」

靴を履き替えていたら同じクラスの中島裕翔が朝から爽やかな挨拶を決めた。

まだ誰もいないと思っていたのに裕翔はぇーな。

聞けば先生から頼まれていたプリントの最終確認をするとかなんとか。

さすが真面目な学級委員……俺と違って無遅刻無欠席だし。

…………と、思いきや。教室に入るなり弁当箱を広げて。

中「ん、うまい」

涼「え……今弁当？」

中「今日の朝食、パンで全然足りなかったんだよね。やまも食べる？」

涼介「あ、じゃあ………」

お腹すいてたし、遠足に持っていきたい理想的なお弁当の玉子焼きを一つ貰った。

塩っ気がありがたくて、ウインナーもどうぞ？という裕翔に甘えて頬張った。

……無事に朝食をいただいて。

昨日の二の舞にならないようにペットボトルの水で薬を流し込んだ。

たぶん、俺が心配されることはこの先も変わらない。
何度か良くなっても、急に苦しくなってそのまま入院したりもした。

それでも………俺は出来るだけ普通の生活がしたくて。

いつも優しい父さんの慧。
何かと心配してお節介な兄の大貴。
もしかしたら俺よりしっかりしている弟の侑李。

今までも沢山迷惑をかけてきたし、我が儘を聞いてもらってる。

申し訳ないとも思うし、いつか恩返し………なんて柄にもないことも密かに。

だから俺が大人になって立派に自立できたら、ちゃんと言いたい。

………ありがとう、って。