Ｔｏｐａｚ (ページ13)

今日:24 hit、昨日:63 hit、合計:412,767 hit

冷たいワケ＿4 ページ13

慧side

大「…………………つまんねぇ………頭いてぇ…………」

慧「こーら…おとなしく寝てなさい」

大「ん………涼介、大丈夫かな…」

布団に潜ったまま、くぐもった声でそう言う大貴。

慧「落ち着いて眠ってるし、侑ちゃんいてくれてるから」

そう諭せば、大貴はゆっくりと布団の中から少し赤くなった顔を覗かせた。

大「…………何処で風邪貰ったんだろ………涼介に移ったら大変だと思って咄嗟に突き放しちゃったんだ。そのせいで………元も子もないよな」

俺と侑李のところに来た大貴は、涼介が倒れたけど自分は風邪を引いて近づけない………と丸い目を潤ませていて。

大貴には悪いけど待っていてもらい、涼介の処置を終えてから体温計を渡した。

………38.2℃の熱、咳も出始めている。

頭痛を訴えていたから、頭に響いて辛いだろうに………

大「あのさ………悪いんだけど、涼介には俺が熱があること、黙っといて………また変にストレスになったら可哀想だから……ごほっ……」

慧「わかった、よく寝て早く直すんだぞ」

大「ん…っ…………」

うとうと、俺も持っていかれそうになっていた………そのとき。

とても控えめに扉がノックされた。
涼介は寝ているし、音のサイズからも小さい侑ちゃんかな？……と思い、一応聞いてみる。

慧「はぁい、ゆうちゃん？」

涼「…………俺、涼介…」

慧「え、あ……ちょっと待ってね」

………まさかの、涼介。

大ちゃんには黙っといてと頼まれたし………中を見られないように狭い隙間から部屋を出て。

涼「……大ちゃんに話があって」

慧「そっか、でも今忙しいみたいだから後にしよ？涼ちゃんも休んだ方がいいから」

まだ顔色が良いとは言えない………けれど、貧血で青白いはずが……少し頬が赤い気がする。

慧「………涼ちゃん？なんか、顔……」

涼「っ…ごめんなさい……おれ…っ……」

涼介の心は人一倍繊細で。

ストレスを感じると体調を壊してパニックにも陥りやすいし、熱も出した………今、その傾向が見られる。

さっき倒れたことが原因だろうと考え、落ち着かせようとしたものの………涼介の体は階段の方へと下がっていく。

慧「涼介っ………危ないっ！」

転げ落ちる寸前で腕を掴み、引っ張ったお陰で怪我はなかったが………意識はなく、腕を回した背中からじんわりと熱が伝わっていた。