Ｔｏｐａｚ (ページ12)

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冷たいワケ＿3 ページ12

涼介side

涼「………ん……？あ、そっか……貧血で倒れたんだ」

侑「りょお、すけ………？」

リビングの天井しか目に入らなかった俺。

近くで静かに絵本を読んでいたらしい侑李が、気付いて寄ってきた。

涼「……………ゆーり…」

侑「……いっぱい……ねんね…してた」

涼「…侑李、ひとりなの？………」

………慧くんの言う通り、目眩や吐き気はすっかり良くなっていて。

普段なら自然とみんなが集まっているリビングには俺と侑李だけ……

そう思って、聞いてみた。

侑「けぇちゃはだいきのところいるから、ゆーりがりょおすけ！………くるしいの、なくなった？」

涼「もう大丈夫だよ……ありがとう…」

そうだ……大ちゃんと喧嘩しちゃったんだ……俺、嫌われていることに気付けなかった………

大ちゃんは、小さい頃から俺の面倒をみてくれた。

“だいちゃはだいじょうぶ！りょうちゃのおにいちゃんだから！”っていつも笑顔で言ってくれて。

自分もまだ甘えたい年頃だったのに……

俺が弱いばかりに、たくさん我慢したんだろうな…………もう顔も見たくないとか言われたらどうしよう…………

侑「りょおすけ、いたいの？」

涼「…ぅうんっ……違くて………」

侑「………かなしい？」

………不甲斐ないなぁ……侑李にこんな顔させる俺は………お兄ちゃん失格。

小さな手で俺の頭を撫でる侑李に、俺も頭を撫で返した。

涼「……大ちゃん、怒ってるかな………」

侑「わるいこと、した？……わるいことしたら、ごめんなさい、するんだよ」

涼「そうだね………」

ねぇ、大ちゃん。

……………お兄ちゃん。

涼「ゆーり……俺、謝ってくる…」

侑「うんっ……ゆうりもついていってあげる」

立ち上がるとふらついたけれど、一刻も早く謝りたくて。
侑李が後ろで支えてくれながら部屋の前まで来た。

………控えめに、扉を叩く。

慧「はぁい、ゆうちゃん？」

涼「………俺、涼介…」

慧「え、あ……ちょっと待ってね」

焦ったような声………部屋から出てきたのは慧くん、だけ。

涼「……大ちゃんに話があって」

慧「そっか、でも今忙しいみたいだから後にしよ？涼ちゃんも休んだ方がいいから」

拒絶だ………俺に会いたくないんだ。

慧「………涼ちゃん？なんか、顔……」

涼「…ごめんなさい……おれ…っ……」

気持ちがぐちゃぐちゃになって。

無意識にそこから後退り………視界がぐにゃりと揺れた。

慧「涼介っ………危ない！」