Ｔｏｐａｚ (ページ36)

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思い出の＿6 ページ36

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慧「食べないと元気になれないよ？お散歩も学校も行けなくなっちゃうなぁ」

涼「ふぇっ、…けぇく、っ…いじわるやだぁっ」

慧「っ！涼ちゃんごめんね、慧くん意地悪しないよ？泣かないで」

俺は美人と涼介の涙にめっぽう弱い。

大貴なんかは注意しても駆けずり回って転んで泣いて……だから自業自得、気にしない！

でもねぇ………涼介は生まれたときから色々と我慢して……辛くても耐えてるでしょ？
俺はそんな健気な子に無理強いしたり叱ったり出来ないわけよ。

涼「っう……ひっく…けぇくん……、……」

慧「よしよし……眠くなってきちゃったかなぁ？」

涼「…んぅ…りょうちゃ、から…はなれる……だめ……だ…ょ……」

泣きながらあくびも出て、ぎゅっとした手は顔の横。

………まだまだ赤ちゃんみたいなんだから………

ご飯は食べてほしかったけど、お昼までは寝かせてあげて……今度は一口でも食べてもらえるようにお父さん頑張るよ。

袖を掴む手を解いて、起こさないように離れる。

この隙に頼まれていた家事も終わらせないと。

洗濯、お掃除……さすがに掃除機は掛けられなかったけど、終わる頃にはお昼近くになっていて。

慧「……涼ちゃん、お熱計ろうね～」

………幸いにも熱は上がっていなかった……下がってもいなかったけど……

慧「涼ちゃん、ご飯だよ。起きれる？」

涼「…ぃや……おかゆ、たべない…」

慧「んー、どうしてかな？」

子供だから理由は言ってくれない。

こっちから聞くと泣き出してしまうし……いけない、ここで諦めたら駄目だ…涼介のためにならないっ！

慧「じゃあ…ちょっと待っててね」

涼「っ、けぇく…！…」

慧「あ、ごめん…涼ちゃんも一緒に行こうか。抱っこするから掴まっていてね」

姿が見えなくなると何処からそんな体力が…？と驚くほど大泣きする。

可哀想だから、リビングに布団を敷くことにした。

慧「慧くん、見える？ここで少しだけ待っててね」

涼「…んぅ……」

納得してなさそうに目を潤ませる涼介に、声をかけるようにしてキッチンに立つ。

……お粥は病院でも食べ飽きてるから嫌なのかも。何なら食べてくれるかな……

消化がよくて、食べやすいもの……俺が寝込んだとき母さんが作ってくれた鍋焼きうどん、とか？