小さな背中_7 ページ30
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病室から移動して物凄い件数のメッセージ、着信が溜まるスマホに目を落とす。
送り主は全て我が息子の大貴。
涼介を心配するあまり俺からの返信が無いことにキレ気味になってきてて…
慧「怖いなぁ…」
既読をつけた途端に画面が切り替わり、絶対に出ろ……と圧を感じる。
それにしても……今、学校の時間だよね?
慧「もしもし〜?」
大『もしもしっ…涼介は?!』
慧「さっき目が覚めたよ。先生に悪態ついてたからもう大丈夫」
大『だったら早く連絡しろよ!…よかった……俺のせいで涼介が暫く入院になったらどうしようと思って』
ざっくりと昨日何があったのかは聞いた。
八つ当たりはよくないけど……大貴も普段怒らないから、上手くコントロールできなかったんだろう。
慧「涼ちゃんから伝言あるけど、聞きたい?」
大『……聞く…』
慧「“大ちゃんは悪くないから気にしないで”」
親バカかもしれないけど、うちの子は皆優しくていい子。
体は小柄で背中は小さいけど……心は誰よりも大きくて広い。
大『涼介起きてる?そっち行っていい?』
慧「んー、たぶん起きてるけど…また寝かせたいから学校が終わってから来なさい?」
大『……慧が父親みたいなこと言ってる』
……少々生意気だけどね。
自慢の家族、自慢の息子。
この子たちがいるから俺は笑って生きていける。
この子たちが一人でも欠ける未来なら、いらないと断言するよ。
だから……みんな、すくすく元気に育ってね。
慧「…ただいま〜、涼ちゃん?……寝てる。かぁわいい」
……あの頃より大きくなって、細くて真っ白な肌は変わらないけど少しずつ体に肉もついて。
成長が回りより遅くても、親にとっては関係なく可愛い。
………本人が気にしているのは別として。
ゆーっくり、大人になればいいよ。
大貴も涼介も侑李も……背伸びしたい時期は必ず訪れるけど、焦る必要はないよって安心させてあげられる場所でありたい。
大「涼介ー!」
慧「っ、しーっ!涼ちゃん寝てるから……大ちゃん学校は?」
大「なんだ、寝てんのか」
……大貴、聞こえてて無視してるよね?
学校が終わってから来なさいって言ったのに…困った子だよ……
慧「大ちゃん?」
大「学校どころじゃ……わかりました、戻りますっ」
お騒がせ長男が出ていった病室に……一つ残されたものがある。
……涼介が幼いとき、大貴から預かって俺が届けてたんだよね。
慧「いちごの折り紙……ふふっ」
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夢莉(プロフ) - 澪李~reiri~さん» ありがとうございます。更新頑張ります〜! (2019年12月27日 23時) (レス) id: 62134ae4e1 (このIDを非表示/違反報告)
澪李~reiri~(プロフ) - おもしろいです!更新楽しみにしてます! (2019年12月26日 19時) (レス) id: c666c18a40 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - 霙(みぞれ)さん» 楽しんでいただけて嬉しいです( ´ー`)そう言っていただけると頑張れます〜! (2019年12月1日 18時) (レス) id: 62134ae4e1 (このIDを非表示/違反報告)
霙(みぞれ)(プロフ) - 夢莉さん» こちらこそです!楽しませてもらってます(*´ω`*) (2019年11月30日 18時) (レス) id: 85d5651a75 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - 霙(みぞれ)さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2019年11月30日 14時) (レス) id: 62134ae4e1 (このIDを非表示/違反報告)
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