Ｔｏｐａｚ (ページ28)

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小さな背中＿5 ページ28

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涼「………ん、…」

ぼんやり、目を開いて……写った天井を見つめる。

苦しさからは解放されていて少し安心したけど……ここ、俺の部屋じゃない、？

視界の端から出てきた影が人の形をして……にこりと笑った。

慧「……涼ちゃん、分かる？」

声が耳に届くと、漸くはっきりとして。
ここが病院だということも認識する。

驚くことに、翌日のお昼近くまで眠っていたらしい。

涼「……け、ぇ…くん……」

慧「はあ…よかった……先生呼ぶね」

小さな頃からお世話になっている病院。

先生は慧くんと古い付き合いらしくて、結構お節介。

「無理しちゃダメだっていつも言ってるだろ？」

涼「ん……」

「涼介ー？」

涼「うるさいな……ﾊｱ……それより、これ外してよ……」

邪魔なんだよ、と口元の酸素マスクに手をかける……これ嫌いなんだもん…

「言うこと聞かないと外してあげないぞ」

涼「無理してないもん……ばぁか」

慧「こらぁ、涼ちゃんったら…」

「お前もだからな」

慧「えぇー」

そっからは先生の慧くんお説教タイムの始まり。

これがまた長い……ん、もう…いいから外してよ。

慧「はい、はい、……あっそろそろ戻った方がいんじゃない？他の患者さんが待ってるよ！ばいばーい」

「あ、こらっ、山田っ」

………やっと出ていった。…というより、追い出したが正解だね。

したり顔で振り向いてペロッと舌を出す慧くん。

慧「やっと二人になれたね、涼ちゃん！」

涼「……ふふっ…」

側の椅子に座って……ただ、へらへらしてる。

思ってることはあるだろうけど………昔から変わらず、慧くんは深く聞いてこないし余計なことは言わない。

慧「……苦しい思いさせちゃってごめんね」

涼「俺、…中学生だよ。自己管理くらいできる……慧くんのせいじゃない。迷惑かけてごめんなさい」

慧「……涼ちゃんったら、変わらないなぁ。心配はするけど迷惑に思ったことは一度もないんだよ？」

普段怒らないのに慧くんは俺が“迷惑かけて”と言うと必ず、額にこつんとする。

……怒ってるのかな…？表情は変わらないから読み取りづらい。

涼「慧くん、仕事は…？大ちゃんは学校？侑李は保育園行ったの…？」