29 ページ30
自己紹介を終えて、早速、一度パフォーマンスをしてくれるという。
曲は『Checkmate Knights』。
先輩3人は、バラード調のこの曲に合った、しっとりしていて且つメリハリの入ったダンスを丁寧に魅せてくれる。
朱桜君は、少し甘さが見える。3日前のレッスンでは、上手く見えたけど…やっぱりまだまだなんだな……。
…あ、朱桜君、多分元のフリと間違えた……。
個々の歌声は強いけど、全員のパートに入るとすごく綺麗に調和する。
でも…なんだろう……。
────どこか、物足りない。
ノートに書き留めていくのも惜しく、それを抱きしめたまま、私は4人のパフォーマンスを記憶に焼けつけた。
・
5分はあっという間に過ぎ去った。
瀬名先輩のパートが少し多かったのは、物足りなさを感じたのと、同じ理由なのかな……。
「……、ふぅ。どうだった、A?」
「…すごく綺麗な調和を感じました。でも…」
「『でも』…、なぁに? なにか感じたことがあったのなら、教えてほしいわァ」
鳴上先輩の言葉を聞いて、口の中に溜まった少しの唾液を飲み下し、言ってもいいのか躊躇いながら、重く感じる口を開いた。
…それを聞いて、3人が驚きを表す。
「どこか、物足りなさを感じました。…本当のKnightsには、もう1人いるんじゃ……?」
「…、あんた…なんでそう思ったわけ?」
今にも寝そうだった、朔間先輩…──────紛らわしいな……凛月先輩でいいかな……──────が、寝転びながら私を睨んでくる。
…いや、ほんとは睨んでないかもだけど…、彼の赤い瞳は、なぜかそう思わせる。
「さ…先に言っておくと…知ってるわけじゃないです……。これが正しいとも思ってません…。ただ…本当に、『なにか』が足りないと思っただけで……」
ノートと筆箱を抱える手に、力が入る。
3人は目を合わせてまだ驚いていて、朱桜君は私が誰のことを言っているのか分かっていない。
…まあ、私も誰かまでは分かってないけど。
「…確かにあんたの言う通り、Knightsには1人欠けてる。
でも、俺はそいつのことを話すつもりはない。いつ帰ってくるかも分からない奴のことなんて、Aもかさくんも知らなくていい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼乃(プロフ) - 零さん» コメントと共に優しいお言葉ありがとうございます！一年半更新を止めてしまうことになり申し訳ないですが、精一杯頑張ります！ありがとうございます！！ (2022年6月2日 18時) (
レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちはコメント失礼します。 初めの方から読んでいた一読者です。無事合格出来ることを祈ってます。頑張って下さいね☺️体調等には気をつけて (2022年6月2日 18時) (レス) @page38 id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼乃 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年9月11日 22時
