【ヒプマイ】○○しないと出られない的なやつに閉じ込められた時の対処法。

手を繋がないと出られない部屋。【MC.M.B】 ページ3

「……」

「二郎…大丈夫？」

またあの部屋に連れてこられて３０分。いつも通り扉を見ると『手を繋がないと出られない部屋。』の文字が。

それを見た二郎は硬直。それからビクともしない。

「生きてる？」

「…っは！おおおおおうっ、」

「焦りすぎ、遠い。」

ズザザザーっと後ずさりしていった二郎に、帰ってこーい。と手招きすると、チラチラとこちらを見ながら近くまで寄ってきた。

暫く黙り込んだけど、よしっ。と何かを決心するとぱっと顔を上げた。

「て、手を…っ」

「手？繋がないと出られないけど…」

「知ってる！…つ、繋いでクダサイ…」

「え、…それを言うための決心だったんだね。」

「ゔっ…うるせぇ！慣れてねぇんだよ…」

「…一瞬で終わらせよう。ほら、」

手を差し出すと耳まで真っ赤にさせて、ちょんっと手を触れてきた。

…初心だね。可愛い。

ギュッと手を握ると肩が大きく跳ねたのが分かった。

「お疲れ様。多分もう開いたよ、」

「…」

「…二郎？」

「〜〜っ…緊張した…」

へなへなと座り込む二郎。一郎から不良って聞いてたけど、どこが不良なんだよ。可愛いかよ。

「無理させた？ごめんね。」

「いや、大丈夫…はぁ、情けねぇ。」

「可愛くていいと思うけどね。」

「かっこいいじゃなきゃ駄目なんだよ…！」


帰り際、

「次、リベンジ！…したい、です、」

と弱気になりながらも言っていた二郎が、本当に可愛くて堪らなかった。

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