逃げ出した少女、捜索中。【あんスタ】

ステージとは。 ページ32

あんずちゃんと別れ、舞台の上に立つ。


「はぁ〜い！みんなぁ、今日の主役！

夢ノ咲学院の女神こと天魅A！じゃ、先輩後はお願いします！」

「あ、うん。ありがとう、Trickster。

…えっと、みんな私のこと知ってるかな？」


Tricksterがはけて、舞台の上は私ひとり。会場が静まったので何となく聞いてみた。

知らない人が多いかな…？なんて思った。だけど、そんなことないって言うかのように聞こえてくる歓声。

『知ってる〜！！』

『待ってたよ〜！』

『Aちゃん大好き〜！！！』



想像してなかったこの歓声に嬉しくなって、頬が緩んだ。



「…あ、ありがとう！」


あの頃に戻れる気がした。


「じゃあ、まず一曲目！聞いてください、＿＿＿」


お客さんだけではなく、ステージ袖から覗いてるアイドル科の後輩達も私の歌を口ずさんでくれていた。


「(あぁ、楽しい。)」


心からそう思える。全てが私の味方になったような、私の全てが肯定されているような。


会場いっぱいに広がる私色のペンライトもあの日見た、勝敗を決めるものではなく、私を応援するもの。


ステージの上は私ひとり。心細いかと言われれば否定は出来ない。でも、私以外の誰もパフォーマンスをすることが出来ない。









｢すてーじは『せんじょう』じゃないですよ｣

｢その通り！貴方だけの世界です☆｣

｢ねえさんの思う通り動かせるヨ｣

｢君は才能があるからね。｣


｢お前ならやれるだろ？｣









｢(その通りだよ。ここ、今だけは私だけの世界…)


みんな、最っ高…！｣

ド天然記念物とわがままお姫様→←新勢力とプロデューサー、それから始まり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す