傷が導くカケラ (ページ11)

今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:74,591 hit

△１０▽ ページ11

雅紀side

俺はコンビニで少し高級なプリンを5個買って病院に来た

プリンは翔ちゃんの好物だから

固形物はすぐには食べられないと思ったから

やわらかめのを選んだんだ

みんなで食べるために・・・ね

今でもトラウマなんだ

俺は・・・翔ちゃんが屋上から転落したその現場にいたから

あれは、取材を終えて

マネージャーの清水さんと車に乗り込もうとした時だった

俺達がテレビ局の外の

人通りが全くないと言っていいほどの小道を歩いていた

なぜこの道なのか

それは、取材の関係でいつも使わないような部屋で行われ

車へはあの道を通ったほうがはやいと清水さんに言われたため

せっかちな俺はそれに賛成しその道を歩いていた

その時

ドン！！！！

雅「え？」

物が落ちたような鈍い音が後ろから聞こえた

恐る恐る振り返ってみるとそこには

雅「翔ちゃん！！」

頭から血を流した翔ちゃんが倒れていた

後で振り返ってみると花壇がクッションの役割をしていて

それで助かったのかもしれない

だけど、この時の俺はそんな冷静に判断できるほどの神経はしていなかった

雅「翔ちゃん！！翔ちゃん！！」

パニックになった俺は泣きじゃくりながら

必死に翔ちゃんの名前を呼んでいた

清水「もしもし！救急です。・・・はい、場所は日本テレビ局の横の小道で・・・ええ、それで病院は〇〇病院に・・・」

その間に清水さんは救急車に連絡をいれてくれた

その時の光景が毎日繰り返されるんだ

メンバーに手伝ってもらってだいぶよくはなってきているけどね

雅「あれ？」

あれは・・・

雅「松潤？」

ベンチに座っている松潤を発見した