要領はよくない方 ページ15
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Aside
──ゴンッ！！
A「ったァ〜〜！！」
アラン「だ、大丈夫か！？」
体育館に響いた鈍い音で、みんなの視線がこちらに向いた。
入口の扉の近くの角でぶつけたおでこ。
その痛さに涙目になりながら
患部を押さえ、しゃがみ込んで。
侑「うわ、だっさ！！そんなドジっ子のフリしてもモテへんぞ！！」
A「ドジ装って全力でぶつかりに行くやつがどこにいるかっての…っ！！」
どこかバカにしたように言ってくる侑。
こっちは本気で痛いんだっての……！！
北「A、どこぶつけた？見せてみ。」
駆け寄って私の目の前にしゃがみ込んだ北さん。
ぶつけたところを恐る恐るみせると、
赤くなっとるなぁ、なんて呟いて。
北「何してたん？」
A「なんていうか、…ぼーっとしてました……」
北「気いつけや。氷嚢作って冷やしとき。」
A「…はい。」
ああ、私……最近、なんかダメだ。
集中できてないというか、ぼーっとする時が多いというか。
まあ、その理由はなんとなくわかってるんだけどね。
A「……絶対、容量オーバーだよね。」
朝は朝練、午前中のうちに先生に練習メニューを聞きに行って、休み時間を使って放課後に必要な道具やらの準備。
ドリンクは練習前に作らないとだから、水を入れればいいところまで整えといて、仕上げは1年生に頼んで実行委員の看板製作に参加して。
帰ってからは代表決定戦のためのミサンガ作り。
これがまた、凝ったデザインにしちゃったからなかなか時間が掛かり、
練習の準備をする以外の休み時間は空き教室なんかでコソコソ作って。
それに加えて課題なんかが当然のように出るから、面倒な課題を出した先生を密かに睨んだりもした。
…わかってたよ
私はそんな要領のいい性格じゃないって。
侑「A！帰りコンビニ！」
A「あ、私今日は用事あるから先帰る！」
自主練後
ブーブー文句を言ってる侑を置いて、ひと足早く体育館を出た。
…ていうか、私がいたら治が嫌でしょ。
なんてことも思いながら帰路を急ぐ。
差し掛かった交差点。
帰ってさっさとお風呂とご飯済ませて…なんてぼんやり考え事をしていたら、
信号機の色を確認せず横断歩道を渡ろうとしてて。
「……なにしてんねんっ！」
そんな声とともに
逞しい腕が私の体を引き寄せた。
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名無し86757号(プロフ) - いつかのイラストを描いていた者です。2年ぶりに最初から読みましたが本当に素敵な作品でずっときゅんきゅんしています。いつまでも待ってますのでこの素敵な恋を素敵な形で完結していただきたいです。 (9月5日 21時) (
レス) id: 717f7bf83d (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 面白い作品ほど作者が失踪するジンクスを実感しています。いつか戻ってきてくれるという淡い期待を持ちながらお気に入り登録しますね。 (8月30日 21時) (レス) @page43 id: d3a24f0cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カービイ - ぼ、僕も!!!お話すごくおもしろかったので更新待ってますね。頑張ってください!!! (2022年8月5日 21時) (レス) @page39 id: 16e8e39b36 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 続き待ってます (2022年8月3日 4時) (レス) @page39 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 涙線崩壊してまった,,,この作品好き過ぎる (2022年8月3日 3時) (レス) @page29 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな。
| 作成日時：2021年2月13日 0時
