好きだからこそ ページ6
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Aside
──キーンコーンカーン……
放課を知らせるチャイムとともに、ざわめき始めた教室。
バイバイと急ぎ足で帰っていく友達を見送りながら、私も部活に行くため片付けを急ぐ。
倫『そう？乗らなくて目が伏し目がちになってたから、そう思うだけじゃない？』
………そうだといいんだけど。
今朝倫太郎と話したことを、ぼんやり脳内で振り返る。
今日1日過ごしてみて、ひとつの可能性が浮かび上がった。
………隣の席だったからよく分かったこと。
治、友達と話す時は普通なんだ。
いつも通りふざけて、いつも通り笑ってる。
倫太郎が話しかけた時だって、わりと普通だったって言ってたし。
今だってほら
いつもなら「先いくで！」とか、私に軽く声かけてたのに
チャイム鳴るなりさっさと行っちゃった。
………もしかしてさ。
A「……私だけ、避けられてる……？」
言葉にしてみると、
ドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
………え、なんで？
…私、何かしたっけ？
必死に昨日からのことを振り返ってみるけど、
よく分からなくて。
侑だったら、理由なんてない一時的なものってこともあるんだけど。
今までの私だったら、どうしてたっけ。
ああ、そうだよ
場所なんてお構い無しに、「なんなの！？はっきり言ってくれないとわかんないじゃん！」って
さっそく首根っこ掴んで問い詰めてる。
「言ってくれるまで離さない！」って。
でも今はなんだか、そうすることを躊躇ってしまって。
A「……怖いん、だろうな。」
…私は。
真相を、実際を知ることを、怖がってる。
避けてますか？はい避けてます、って言われたら、
ショックを受けないわけがない。
その訳がもっとショックなものかもしれない。
だったら聞かなくていいって思ってみるけど、
この状態だってかなり堪えてる。
あーあ、前だったらこんなことぐるぐる考えないのに。
A「……好きだからこそ、ね。」
小さく掠れるように零した私の呟きは、
教室のざわめきに消えていった。
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名無し86757号(プロフ) - いつかのイラストを描いていた者です。2年ぶりに最初から読みましたが本当に素敵な作品でずっときゅんきゅんしています。いつまでも待ってますのでこの素敵な恋を素敵な形で完結していただきたいです。 (9月5日 21時) (
レス) id: 717f7bf83d (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 面白い作品ほど作者が失踪するジンクスを実感しています。いつか戻ってきてくれるという淡い期待を持ちながらお気に入り登録しますね。 (8月30日 21時) (レス) @page43 id: d3a24f0cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カービイ - ぼ、僕も!!!お話すごくおもしろかったので更新待ってますね。頑張ってください!!! (2022年8月5日 21時) (レス) @page39 id: 16e8e39b36 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 続き待ってます (2022年8月3日 4時) (レス) @page39 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
サリア - 涙線崩壊してまった,,,この作品好き過ぎる (2022年8月3日 3時) (レス) @page29 id: cceeb02c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな。
| 作成日時：2021年2月13日 0時
