在るべきものは在るべき場所へ ページ3
数年前───────
『……え…?』
「これを使って今縛ってるアイツにトドメを刺すんだ、これくらい出来るでしょう?」
『あ…で、でも…』
「できないなら僕が君を殺す」
『ひっ…わ、わかり…ました…』
縛られて話せない口から言葉じゃなくても分かる命乞いの声
私が…やるの…?この人を…?
手が震えて銃器がカチャカチャと鳴る、でもやらないと私が殺される…だから…仕方ない…!!!
そして私が引き金を引くと大きな銃声が鳴り響いた────
「……」
『はっ…はっ…ご、ごめ…なさ…私には…で、でき…できません…!!』
私が打った弾丸は彼の横を通り抜け壁に穴を開けた、その途端に全身の力が抜けて思わず座り込む
打てなかった…やっぱり…私には出来ない…どうしよう…殺される…もっ、もう1回…でも、次も失敗したら…
打たなきゃ…打たなきゃ打たなきゃ打たなきゃ…そうは思っていても体が言うことを聞かず体は震えるばかりだった
すると彼は私から銃を奪い取り縛られている男に二発打った、そして先程まで叫びもがいていた男が
一瞬で大人しくなった
そして未だに震えて座り込んでいる私の前に、彼はしゃがみこみ片手を私の頬に優しく当てる
「…意地の悪い事をしてすまなかったね、でも…分かって欲しかったんだ、君はここに居るべきじゃない」
『っ…で、でも…』
「……君は眩しい、ただ眩しすぎるあまり私達のような者は君の光で燃やされてしまう
そして最後には醜い焼死体を晒す羽目になる、だから私達のような人間はその光に燃やされない為に
君という存在を闇に染め、抹消する
だからここは、君のいるべき場所では無い…在るべきモノは在るべき場所にないといけないんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、堪えていたものが全て出てきたかのように涙が溢れた────
『────とまぁ、こんな感じで…って、あれ?条野さん…?大丈夫ですか?!』
条野「だ、いじょうぶ…です…」
いつの間にか条野さんの顔は先程より赤くなっており机に突っ伏していた、時々しゃっくりも出ている
……ハッ!!まさか…私と同じペースで飲んでたからか…!!!あちゃぁ…
まぁそのくらいで聞いててくれた方が私も気楽だし…とりあえず私の家に今日は泊めるとしよう
そして条野さんに肩を貸しながら会計を済ませて自宅まで向かったのだった
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花雪(プロフ) - 黒灰白有無%さん» ありがとうございます!!そう言って頂けるのが何よりのモチベです!!更新激遅ですが何卒よろしくお願いします🙇 (9月10日 22時) (レス) id: bc2917c11b (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結御目出度う御座います!!一気読させて頂きました。何と言いますか、皆兎に角可愛いです…!最後お付き合いできたみたいで良かったです。末長く御幸せに!面白くて凄く好きです!!他作品も楽しませて頂いてます!これからも応援しております。 (9月8日 9時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
花雪(プロフ) - みっささん» 初コメありがとうございます!!ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!お気に召して頂ける作品を作れるよう精進致しますので、何卒よろしくお願いします!! (5月10日 23時) (レス) id: bc2917c11b (このIDを非表示/違反報告)
みっさ - 初コメ失礼しますっ!!完結おめでとうございます!ずっと追ってきたので少し喪失感がありますが、花雪さんの次の作品をわくわくしながら待つことにします!改めて、完結おめでとうございます!!! (5月10日 20時) (レス) id: 0ca1847e23 (このIDを非表示/違反報告)
花雪(プロフ) - 青鯖ぷりんさん» ありがとうございます!!!そこまで思って頂けてて嬉しいです…!!これからも頑張らせて頂きます!! (2023年4月19日 7時) (レス) id: bc2917c11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2023年4月9日 22時