初めての痛み(碧棺左馬刻) ページ5
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『ちょ…っ…や、やっぱり待って…っ!
心の準備がっっ…!』
「あ"ぁ?」
顔を背け頭を左右に振るAに左馬刻は今日何度目かの溜息をついた。
「あのなぁ…さっきから何回同じ事言ってんだ?もういい加減覚悟決めろや。」
『だ、だって…やっぱり怖いよぉぉ…』
今にも泣き出しそうな顔で自分を見つめる彼女に左馬刻は眉間に皺を寄せた。
「んな事言ってたらいつまでたっても出来ねぇだろうが」
『うぅ…そ、そうなんだけど…でも…』
でもと煮え切らない様子のA。
そんな彼女を諭す為か
「…早く俺様と一緒になりてぇって言ったのはどこのどいつだ?」
と左馬刻はAの顔を覗き込んだ。
『…わ、私です…!』
「じゃあ早くやんぞ?待たされるのは好きじゃねぇんだ。
ま、痛てぇのは最初だけだ、力抜いて少し我慢してろ…」
我慢の限界が近かったのか一気に腰を上げ迫る左馬刻にいよいよ覚悟を決めたAはギュッと目を閉じた。
ブチンッ!!
大きな音が静かな空間に響き渡る。
『…っっっっ…!!』
「…おら、どうだ?綺麗に入ったぞ。」
ニヤリと口角を上げ顔を覗き込む左馬刻。
そんなAの目からは涙が溢れていた。
『っっ…い、痛ぁぃ…痛いよぉ…左馬刻…っ』
「いや…泣く程の事かよ…」
『だ、だって痛いし…凄い勢いで…ビックリしたし…っ』
流れる涙を手で拭いながらも痛みはあるが緊張から解放されホッとした表情を見せる彼女に左馬刻は意地悪げに口を開く。
「はは、慣れだ慣れ。一回やりぁ後はどーって事ねぇよ。むしろ癖になるかもな?」
『ぅぅ…なる訳ないよ…
…でもこれでやっと左馬刻と一緒だ…嬉しい』
へへっと涙目で笑うAに左馬刻もどこか嬉しそうに笑って見せ
「は…そうかよ、良かったな」
と、優しく呟き彼女を腕に引き寄せた。
『…左馬刻…
…好きだよ…』
「…当たりめぇだろ…」
言葉と同時に唇を重ねる左馬刻。
何度も角度を変え次第に深く深く口付けられると自然と彼女の口から吐息が漏れ始める。
2人の夜はまだまだ始まったばかりだった。
「あと3つくらい着けとくかピアス」
『絶対無理っっ!』
END
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作者名:アヤ | 作成日時:2021年10月6日 13時