好き。...嘘、大好き。《佐野玲於》

迷子 ページ6

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Aside



次の週。

やってきた、スタジオがあるとあるビル。


ここで今日リハーサルして、明日本番。


今回は、結構メンバーに近いところで踊るらしい。

いつもMV出る時は
大勢の人の中のひとり、みたいな役ばっかだったから
ちょっと成長したかな、なんて嬉しかったり。


受付通って、道案内されながら
同僚や先輩たちと一緒に
リハがあるスタジオに向かった。

スタジオの前になって、あ、って声を上げる。

そしたら、同僚で1番仲のいい沙耶が、
どうしたの？って聞いてきて。




A「……今日、結構躍り込むって言ってたよね？飲み物忘れてきた……」


沙耶「あー、無いの辛いかも。さっき通りかかった自販機で買ってくる？」


A「そうしようかな」




先輩達に先に行っててもらうよう伝えて、自販機へと向かった。

小銭を入れて、水のボタンを押す。

すぐに、ガコン、と音をたてながら水が落ちてきて。

ペットボトルを持つと
みんなが待つスタジオへ向かう。



……だけど。




A「……え、ここどこだっけ？」




来た道を戻ってきたはずなのに
いつの間にか、見覚えのない場所に。

こういうとき、方向音痴は辛いな。


自分で言うのは悲しいけど
私はかなりの方向音痴だと思う。

証拠に、今こうして
早くも道に迷ってるんだから。




A「はぁぁ……」




沙耶に付いてきてもらうんだったな……。

どうしよ。

変に動くとさらにわかんなくなるかもしれない。

………とりあえずマップを探そう。

エレベーターのところにあった気がするな、
ビルの全体図。



まずはそこを目指して前進。



………すると。





「…どうかしました？」






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