HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

厳しい言葉 ページ25

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レオは下を向いた。

よく見えないが、きっと厳しい顔をしている。




レオ「……なんで、そう思った？」


A「数日ここに居て、すごく温かい場所だなって思った。他人の私をすぐ受け入れてくれて。街の人と過ごしてるうちに…ずっとここにいたいと思うようになった。」




レオは黙った。

そして、ゆっくりと口を開き、まっすぐ前を向いたまま答える。




レオ「……俺たちは生きることに精一杯だ。興味本位で住み着こうとしてるなら、出ていってもらわなければいけない。それにお前は、1度怪しまれてこちらに捕まった人間だ。スモーキーが許すとはなかなか思えない。」




厳しい言葉。

だけど、本当のことだ。

実際、私は無名街に潜り込んだ人間に過ぎなくて。

その事を考えたら、匿ってもらう状態になったのも奇跡に近い。




レオ「……だけど。」




レオの目が、私を捉えた。




レオ「俺は、ここで暮らせばいいと思う。」


A「…え……？」


レオ「RUDEにとってAが完全に信用できる相手じゃないのは事実だが、街の人がお前を慕い始めているのも事実だ。」


A「……」


レオ「もし、お前が本当にここに居たくて、RUDEの、無名街の役に立とうとしてるなら、明日、スモーキーに言ってみろ。その時、俺はお前側につくことは出来ない。」




１対１でスモーキーと話せ、とレオは言う。

正直、スモーキーは苦手だった。

家族に対しては優しい瞳を向けるが、他人には鋭い瞳。

心の奥を探られそうで、怖い。



…だけど。




A「……わかった。話してみる。」




スモーキーのそれに対抗しようとするほど、私の意思はいつの間にか固くなっていた。





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