少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？【宮治】

右手首の痛み ページ36

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Aside






6限目の授業。


先生の話を聞きながらノートを取るけど、
私の意識はどうしても右手首に向いてしまっていた。




すごく嫌な予感がする。



シャーペンを動かす度、
なんかズキズキしてるんだよね。



別にめちゃくちゃ痛いってわけじゃないけど、
痛くないって言ったら嘘にはなる。




そっと制服の袖を捲ってみれば
そこにはうっすらと青いアザ。





………うわぁ。



さっきは無かったよ、これ。





自然とため息が漏れた。



間違いなく、さっきの体育で勢いよく倒れ込んだ時のものだ。





侑に言ったら絶対バカにされるやつじゃん。




『体育で手首捻った？はっ！どんくさ！』


……言われる。



言われる未来が私には見えている。





A「はぁ…、」



治「なんや、何回もため息ついて。」



A「今日侑に会いたくない。」



治「それは残念やな。今日もあいつはピンピンしてるから、部活休むなんてありえへんことや。」





そんなこと言うの珍しいな、どないしたん？って
首を傾げる治。




侑には絶対言うつもりはないけど…
だからと言って治にわざわざ報告することでもないかな。


痛みはするけど、マネージャーの仕事できませんってほどでは無い。



何より、春高予選に向けて熱が入りつつある大事な時期だし。




そんな考えに至った私は、なんでもないって適当に話を流した。



私の返事に、ちょっとだけ腑に落ちないような顔を一瞬見せた治。


でも、さらに聞いてくるような様子もなくて。





治「侑と喧嘩でもしたんなら、さっさと仲直りせえよ。」



A「え、治がそれ言う？」





今日の朝練でもぎゃあぎゃあ揉めてて
私に北さん召喚されたのは誰ですか。



そう心の中で突っ込んだ。






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