少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？【宮治】

特別な目 ページ19

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治side






あれからというもの、
Aはわかりやすく不機嫌で。





A「侑、これも。」



侑「は？おまっ、何個買うつもりやねん！コンビニスイーツそんな安くないねんぞ！加減せえ！」



A「レディーの心傷つけた代償は高いんだから。」



侑「レディーなんてどこにおるん──…」



A「はいプリンアラモード追加ー。」





ミニパフェだの、プリンだの
容赦なくカゴに突っ込んでいくAに、侑は奇声を上げる。


そういえば、あいつ最近金欠や言うてたな。




まあ、知らんけど。




北さんからの正論パンチ食らって、
Aにちゃんとお詫びしときって言われて。



そしたらAも糖分寄こせって言い出して、
部活終わり、いつものコンビニ。





侑「てかなんで俺だけやねん。角名とか治もやろ！」



A「代表して発端の侑。」



侑「治！割り勘や！」



治「今日財布持ってきてへん。」



侑「じゃあそのレジ袋はなんや！」





ペイペイか？ペイペイなんやな！？って1人で騒いどる侑置いて、俺は先にコンビニを出た。




外に出ればそこにはいつの間に出たのか、Aと銀がおって。



商品選ぶだけ選んで出てきたんやな、こいつ。





店内で険しそうな顔しながら会計しとる侑なんかそっちのけで、
また月バリ開いとって。





治「また兄ちゃん見とん？」



A「お兄ちゃんのことは興味無いけど、チームメイト写ってるなって思って。」





ここ、って指さすところには
同じユニフォームを着た数人の男子。





治「頭ピンクやん。」



A「それ、治が言うかな……」





Aの視線は俺の銀髪。



まあ、それもそうか。





A「……久しぶりに岩ちゃん見たな。」



治「どれ？」



A「真ん中の黒髪。ここのエースなんだ。」



治「ほーん。」





さっきまで怒ってたのはもういいのか
幼なじみなの、って楽しそうに話すA。



その顔は、分かりやすく頬が緩んでいて。





治「……A、」



A「ん？」



治「…や、なんでもない。」





他を見るのとは違う、
特別な目しとるのように思うのは、俺の気のせいよな。






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