1発 ページ10
.
Aside
…きっと、私が自販機の真横のところに座っていたから、
こちらに来るまで私がいるなんて分からなかったんだろう。
自分の顔がぐちゃぐちゃなことを一瞬忘れていた私は、慌てて再び俯く。
お願い、スルーして。
見なかったことにして……
亜嵐｢…ねえ。｣
A｢……｣
どうやらスルーはしてくれないらしい。
黙っていれば、視界の端に彼の足が入り込んで、
私の正面に移動したんだってわかった。
白濱くんは、そのまましゃがんで
私の顔を覗き込む。
亜嵐｢……今日はここで泣いてんだ？｣
A｢へ、……｣
亜嵐｢イブの日は街中だったじゃん。｣
A｢……っ、｣
イブの日のことも、しっかり覚えてる。
分かってたんだ、あの日ぶつかった人が私だ、って。
亜嵐｢…目の前で2回も泣かれたらさ、さすがに気になるんだけど。｣
A｢……別に、泣きたくて白濱くんの前で泣いてるんじゃないもん。｣
なんて、反論して。
白濱くんは、俺の名前知ってたんだ？って
意外そうな表情。
…そりゃ知ってますよ。
イケメンって有名人だもん、学年でも学校でも。
……この前は名前出なかったけど。
するとそこへ、片寄くんがやってきた。
涼太｢亜嵐くーん、……って、え？ナンパ中？｣
亜嵐｢そんなわけあるか！｣
涼太｢なんだぁ……って、原本さんじゃん。｣
亜嵐｢え？涼太くん知り合い？｣
涼太｢知り合いっていうか……まあ、隣のクラスだし。ね？｣
A｢…うん。｣
片寄くんの話を聞いて、
通りで見たことあると思ってた！って
1人で納得してる様子の白濱くん。
亜嵐｢下の名前は？｣
A｢A、だけど………？｣
そう答えれば、へぇ、なんて呟く。
亜嵐｢じゃあ、Aちゃんさ。なんでこんな所で泣いてたの？｣
涼太｢ちょっ！亜嵐くん……！？｣
慌てる片寄くんのことを知らん振り。
構わず白濱くんは話を続けて。
亜嵐｢…あ、もしかして彼氏に振られたとか？｣
A｢……っ！！｣
……見事、1発で当てられたのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1509人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
心音(プロフ) - すごくドキドキします！！ 全然ベタな展開でもドキドキできていいです！！！！ つぎの更新も楽しみにしてます！！ (2019年4月14日 2時) (
レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きになりました！毎回驚かされます。これからも頑張ってください！ (2019年4月8日 15時) (レス) id: 7756676704 (このIDを非表示/違反報告)
y,206 - 毎日更新楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年4月4日 23時) (レス) id: d4f39bbfd7 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - 初めまして！毎日らなさんの物語楽しみにしています！！新作待ってましたー☆玲於推しですが、亜嵐くんも楽しみにしています！ (2019年3月29日 19時) (レス) id: 797fcf741c (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - (ﾉ `･∀･)ﾉﾞ ｵｵｵｵｫ♪らな。さんの新作！またワクワクドキドキしちゃいます…(*´ω｀*) (2019年3月29日 7時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らな。
| 作成日時：2019年3月28日 23時
