白濱くんが呼び捨てをしない理由。[Alan.S]

面倒なこと ページ18

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Aside






A｢……ねえ。｣



亜嵐｢ん？｣



A｢なんで居るの？｣





……降りた電車。


自宅への帰り道、何故か隣を歩いている白濱くんにそう問いかけた。





亜嵐｢なんでって……俺も家こっちだから。｣



A｢この前はもうひとつ前の駅で降りたじゃん。｣



亜嵐｢あれはバイト行ってたの。｣





カフェのバイトしてんだ〜、なんて
ヘラヘラ笑いながら話す白濱くん。





亜嵐｢家はね〜、ここから歩いて15分くらいかな。Aちゃんは？｣



A｢……10分くらい。｣



亜嵐｢なんだ、家近いんじゃん！｣





……かれこれ一年近く通学してたのに、なんで気づかなかったんだろうか。





…こんな家に近いところを白濱くんとふたりで歩くのは不味い気もする。



…すごく面倒な予感。




私はさり気なく歩幅を小さくして、白濱くんと距離を取った。





それに気がついた白濱くんは、どうした？なんて首を傾げて。





亜嵐｢え、なに？｣



A｢いや……知り合いに出くわしそうだから……｣



亜嵐｢え、いいじゃん、別に。｣



A｢…面倒なんだってば。｣





……こんなイケメンと歩いてたら。



あとで質問攻めを食らうに決まってる。




そんなこと、本人に言える訳もなくて、
納得してくれそうな言い訳を探す。





……すると。





｢…え、A？｣



A｢……げ。｣





背後からの声に振り向いて、そこに居たのは、


……うちのお母さん。




あからさまに目がキラキラしてるのが分かる。




あー、もう。



……ほら、面倒。






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