見覚えのある顔 ページ1
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亜嵐side
街が賑わう、クリスマスイブ。
どこを見渡しても、カップル、カップル、カップル。
男同士ででっかいツリーを見に来てる寂しい奴らは、俺らくらいかもしれない。
亜嵐「なんか、……虚し。」
涼太「だから言ったじゃん。」
早く家でケーキ食べよ、なんて隣で駄々こねてるのは
高校入ってから1番仲がいいって言ってもいいくらいの友達、涼太くん。
お互い彼女ナシで、お互いクリぼっちだったから
数時間前に急遽集まった。
白い息吐きながら、ぼーっと目の前の迫力満点のツリーを見上げたりして。
亜嵐「じゃあ、ケーキ買ってうち行きますか。」
涼太「大賛成〜。」
そうふたりで話して、ケーキ屋さんへ向かった。
街中のでっかいツリーからそれほど遠くない、
俺のお気に入りのケーキ屋。
生クリームが程よい甘さで、
前に涼太くんに買ってきてもらった時、一目惚れしたんだよね。
亜嵐「奮発してホールの1番でかいやつ、買っちゃう?笑」
涼太「絶対食べきれないでしょ。笑」
亜嵐「案外いけるかもよ?」
そんな冗談話をしながら
大きな交差点で信号が変わるのを2人で待つ。
………すると。
──────ドンッ
亜嵐「うおっ、」
A「きゃっ、……」
いきなりぶつかってきた、ひとりの女の子。
ぶつかった拍子ににふらついた彼女の腕を、慌てて掴んだ。
A「すみませ………っ、」
ずっと下を向いてた彼女の顔が上がり、視線が絡む。
亜嵐「…え、」
A「……っ、」
……お互いが、固まった。
見上げた彼女の表情に呆気に取られて力が緩んでいたのか、
掴んでいた腕がするりと俺の手のひらから抜け出す。
A「……支えて頂いて、ありがとうございます………」
かすかに聞こえた、そんな言葉。
再び下を向くと、
彼女は早歩きでさっさと俺たちの横を通り過ぎてしまった。
涼太「…なんだったの、あれ?」
亜嵐「…さぁ……?」
丁度信号が青に変わり、俺達は再び歩き始める。
横断歩道を渡りながら思い出すのは、今さっきの出来事で。
…………どこかで見た顔。
そんな、どこか見覚えのある彼女の顔は
…涙で濡れていた。
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心音(プロフ) - すごくドキドキします!! 全然ベタな展開でもドキドキできていいです!!!! つぎの更新も楽しみにしてます!! (2019年4月14日 2時) (レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きになりました!毎回驚かされます。これからも頑張ってください! (2019年4月8日 15時) (レス) id: 7756676704 (このIDを非表示/違反報告)
y,206 - 毎日更新楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2019年4月4日 23時) (レス) id: d4f39bbfd7 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - 初めまして!毎日らなさんの物語楽しみにしています!!新作待ってましたー☆玲於推しですが、亜嵐くんも楽しみにしています! (2019年3月29日 19時) (レス) id: 797fcf741c (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - (ノ `・∀・)ノ゙ オオオオォ♪らな。さんの新作!またワクワクドキドキしちゃいます…(*´ω`*) (2019年3月29日 7時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな。 | 作成日時:2019年3月28日 23時