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彼の呟き ページ42

.

Aside





A「…ねぇっ、」



亜嵐「……」



A「…ねえってば!!」



亜嵐「え?」





突然私の手を引いて歩き始めた白濱くん。



最近白濱くんに振り回されてばかりの私は、
今回も心臓の音を早めていた。




たまらず話しかけるけど、なかなか気づいてくれなくて、
何回目かの声掛けにやっと反応してくれて。





亜嵐「…なに?」



A「……いや、手…!」



亜嵐「……ああ、ごめん、つい。」





……つい、って何よ。



そう突っ込みたい気持ちを抑えた。





謝ってきたから、
私はてっきり自分の手は解放されると思った。


…だけど、いつまで経っても私の手は白濱くんの手の中。




そのことに戸惑っていると、
白濱くんは私の手を握る手のひらに少し力を入れて、





亜嵐「……もうちょっとこのまま。」





なんて、とんでもないことを言い出す。




………白濱くんが何をしたいのか、よく分からなかった。



ただ分かるのは、自分の心拍がどんどん上がっていること。





ちらりと白濱くんの顔を見あげれば、
なんだか……………少し不機嫌そうで。





A「……どうかした?」



亜嵐「何が?」



A「なんか、怒ってるみたい。」



亜嵐「別に怒ってるわけじゃないけど……」





そこまで言って、白濱くんは口を閉ざす。




…なんか、怒ってるというか、


……拗ねてるというか。




もう一度聞いてもよかったけど、
白濱くんが言いたくなさそうだから、私は黙っておくことにした。






帰りの電車は満員で。



私は白濱くんに守られるようにして、ドアの近くで最寄りに着くのを待った。






……ガタン、ゴトンと時折電車らしい音がする車内。



それに加えて、いろんなところから話し声がして。



各駅に停車する事に、アナウンスだって流れる。





…きっと、それらのせいだろう。





亜嵐「……あいつに、Aちゃんの可愛さなんか分かってたまるか。」





そんな白濱くんの呟きが、私の耳に届くことは無かった。





.

挙げられた手→←とびきりの笑顔



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心音(プロフ) - すごくドキドキします!! 全然ベタな展開でもドキドキできていいです!!!! つぎの更新も楽しみにしてます!! (2019年4月14日 2時) (レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きになりました!毎回驚かされます。これからも頑張ってください! (2019年4月8日 15時) (レス) id: 7756676704 (このIDを非表示/違反報告)
y,206 - 毎日更新楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2019年4月4日 23時) (レス) id: d4f39bbfd7 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - 初めまして!毎日らなさんの物語楽しみにしています!!新作待ってましたー☆玲於推しですが、亜嵐くんも楽しみにしています! (2019年3月29日 19時) (レス) id: 797fcf741c (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - (ノ `・∀・)ノ゙ オオオオォ♪らな。さんの新作!またワクワクドキドキしちゃいます…(*´ω`*) (2019年3月29日 7時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな。 | 作成日時:2019年3月28日 23時

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