検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:473,381 hit

いつかの香水 ページ2

.

Aside




これ以上は無理か、なんて言って玲於くんはタオルから手を離す。




玲於「…ドライヤー、貸すわ。」




なんて言うと、私を洗面所に連れていき
ドライヤーを手渡して。




玲於「乾燥機終わったら、勝手に出していいから。」




ちょうど電話がかかってきた玲於くんは
そう言い残して、1度洗面所を出ていった。




言われるがままに、ドライヤーを借りて。


髪が完璧に乾く頃、隣の乾燥機から仕事完了の合図。



そこから上着を出させてもらって、再びリビングに戻った。


玲於くんは玄関で話しているようで、リビングにも姿はない。




……玲於くんに迷惑かけちゃった。



上着の乾き具合を確認しながら、そんなこと考える。



……お礼、言わなくちゃ。




玲於くんが戻るのを待つ間、ぼんやり部屋の中を眺めた。


ソファーからランプまで、ほんとにオシャレなものばかり。


それらが醸し出す雰囲気からは玲於くんらしさが伝わってきて。




部屋の中は玲於くんの匂いがいっぱいで
私の好きな匂いだ、なんて思う。






そして、何気なく視線を移したテーブルの上。


nigoさんの雑誌が積まれてるその隣にある香水に、目を奪われた。



私がいるのがソファーのすぐ後ろだから
その香水の特徴が、ハッキリと瞳に映る。





…水色の透き通った瓶。


ゴールドのチェーンの先にある、ヒールのシルエット。


そして、キャップに埋め込まれた、エメラルドの石。




いつかの会話を思い出す。


“これ、オーダーメイドで、世界に一つしかないの”




A「……っ、」




間違いない。


その香水は紛れもなく、夏希さんのもの。




それを見つめながら立ち尽くす自分は
どうやらさっきまでのことで少し浮かれていたらしい。


なんだか、信じたくない現実を突きつけられた気分だった。





.

居たくない→←タオル



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (390 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2265人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ハナリーン(プロフ) - もう本当にきゅんきゅんしすぎて死にそうで、にやけがとまりません……。改めて玲於くんがまた好きになってしまいました。幸せな時間をありがとうございます……! (2019年3月24日 7時) (レス) id: 33cb9575e2 (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - はい!O(≧ω≦)O語りましょう!(≧∀≦) (2019年1月9日 20時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - ちょんさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*´-`*) がんばってきます!!! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - SOLTWORLDさん» なんですかこのにやけてしまうコメントは。笑 ありがとうございます(*^^*) 番外編までしばしお待ちくださいヽ(´ー`)ノ (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - ど根性オレンジさん» オレンジさぁぁあん!!!がんばってきます〜!!また語りましょう。笑 (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らな。 | 作成日時:2018年12月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。