検索窓
今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:473,525 hit

居たくない ページ3

.

Aside




A「…帰ろう。」




あの香水は夏希さんのもの。


夏希さんがここに来て、忘れて帰った。


そう、玲於くんの大切な人である、夏希さん。



その事実に私の心は押し潰されそうで。




もしかしたら、合鍵なんか渡してるほど通い詰めるのかもしれない。




やっぱり、来るんじゃなかった。


断ればよかった。


結局、辛い現実突きつけられただけじゃん。


だめだ、また、泣きそう。





──ガチャ。




玲於「あ、乾燥終わった?」


A「うん。」




ちょうど電話を終えてリビングに戻ってきた玲於くん。


呑気にそんなこと聞いてきて、必死に平常心で答えた。




A「……ねぇ、この香水、玲於くんの?」


玲於「あ、それ………知り合いの忘れ物。」


A「私の知ってる人?」


玲於「……ううん。知らない人。」




……なんで。


なんで、嘘つくの。


夏希のだよ、って言えばいいじゃん。


わけわかんない。


ふたりの関係を知られたくないの?


誰にも邪魔されたくないほど、夏希さんが大切?




A「……そっか。」




こんな苦しい思い、したくない。


夏希さんがいたこの空間に、いたくない。




A「……いろいろありがとう。私、帰るね。」




それだけ告げると、俯いたまま
ダイニングテーブルの上のバッグを荒く掴んで歩き出した。




……だけど、玲於くんの隣を横切るところで。




玲於「…待てって。」


A「……っ、」




玲於くんの手が、私の右手首を掴んだ。




.

零れた本音→←いつかの香水



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (390 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2265人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ハナリーン(プロフ) - もう本当にきゅんきゅんしすぎて死にそうで、にやけがとまりません……。改めて玲於くんがまた好きになってしまいました。幸せな時間をありがとうございます……! (2019年3月24日 7時) (レス) id: 33cb9575e2 (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - はい!O(≧ω≦)O語りましょう!(≧∀≦) (2019年1月9日 20時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - ちょんさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*´-`*) がんばってきます!!! (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - SOLTWORLDさん» なんですかこのにやけてしまうコメントは。笑 ありがとうございます(*^^*) 番外編までしばしお待ちくださいヽ(´ー`)ノ (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - ど根性オレンジさん» オレンジさぁぁあん!!!がんばってきます〜!!また語りましょう。笑 (2019年1月8日 20時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らな。 | 作成日時:2018年12月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。