好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

天職 ページ12

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玲於side




A｢……あ。｣


玲於｢なに？｣


A｢言うの忘れてた。｣


玲於｢だから何だよ？｣




意味わかんなくてそう聞けば、
今になって、いらっしゃいませ、だって。



……俺、ここに来てかれこれ５分は経つんだけど。



思ったことをそのまま言葉にして突っ込めば、別にいいじゃん！って開き直り。




A｢玲於くん、スタジオ借りに来たんでしょ？｣


玲於｢まあね。｣


A｢えっと、……あ、時間！｣


玲於｢とりあえず1時間で。｣


A｢了解。じゃあ、16番どうぞ。｣




はい、ってスタジオの鍵を渡してくる。


そんなAを見て、俺は。




玲於｢…ふは、笑｣




…似合わねぇわ、マジで。




A｢笑わないでよ。｣


玲於｢いや、ぎこちなさすぎでしょ？笑｣


A｢初めてなんだもん。｣


玲於｢お前、絶対接客業向いてないわ。やっぱダンスが天職じゃね？｣


A｢それは私も思った。｣




久しぶりの同意見だ、って目尻を下げるA。



鍵とりあえず受け取るんだけど、なんだかAに任せるの心配で。


俺はAが座るレジカウンターの向こう側に回った。


Aは、俺の行動にポカンとして。




玲於｢Aだけじゃ不安だから、一緒にしてやる。｣


A｢玲於くんこそ接客向いてなさそうなんだけど。｣


玲於｢俺もそう思う。｣


A｢あはは。お互い今の仕事が一番似合うね？｣


玲於｢同感。｣




そういえば、Aは
お互い天職だ？って笑った。




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