好き。...嘘、大好き。【3】[佐野玲於]

特別な感情 ページ9

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Aside




特に意味はないのに、ムカつくって何？



玲於くんに聞いてみたいけど、
実際には目の前でお寿司食べてる彼に目で訴えるだけ。

気づくわけがないよ。


…まあ、聞いたところで
どうってことにもならないんだけどさ。




それにしても、最近の玲於くんは変な気がする。




見た目だけで好きになるなよ、とか

さっきの、水谷さんのことだってそう。



なんというか、……過保護？

ううん、それとはまた違う気がする。



それとも、前からこんな感じで、
私が再会する以前のことを覚えてないとか。






……ヤキモチ？


……いやいや、まさかね。




そんなことありえないのに
自分で考えておいて恥ずかしくなった。







……でも、変っていうことに関しては、
私にも言えること。



玲於くんといる時は
相変わらず楽しい。


それは、今も前も変わらない。




だけど、それに加えて、最近の私は


しょっちゅう玲於くんにドキドキしてる。



彼にとっては何気ないことだと思うことにも
顔は赤くなってしまって。





……今だって、迫ってる帰りの時間に
少し焦りを覚えてる。



もう少し、

玲於くんと一緒に居たいって

玲於くんの笑った顔見てたいって

思ってる。






…この時の私は、心に違和感を抱きながらも
いつもと変わらぬ幼なじみとしての感情の上に
乗り始めている新たな特別な感情を、まだ気づかないままで。





…その感情の名前を知るのも、もう少し先のお話。





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