好き。...嘘、大好き。【3】[佐野玲於]

水谷さん ページ5

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Aside



｢では、本日のリハーサルは以上になります。明日、よろしくお願いします。お疲れ様でした！｣




そんなスタッフさんの声掛けで
今日のリハーサルは終了を告げた。


バックダンサー数人と一緒に楽屋に戻り、
帰る支度を済ませる。



今回の仕事はうちの事務所からは私しか参加していないから、ほとんど知らない人ばかり。


少し心細さも感じたけど、玲於くん達もいたし、
この状況が逆に新鮮で面白かった。



お疲れ様でした、って
1番に楽屋を出る。



今日は何食べよう？

どこかにひとりで食べに行ってもいいな。



そんなことを考えながら廊下を歩いていると。




｢…うわっ！｣


A｢…？｣




まだ見えない、角を曲がった辺りから
何かがバサバサっと落ちる音と、驚いたような声。


その声に引かれて角を曲がってみる。


するとそこには、資料らしき紙の束を
盛大にばらまいてしまっているスタッフさん。

床に落ちた資料を取ろうとするんだけど、
床に落ちずに済んだ資料の束が、両手を塞いでいて。




A｢あ、私、取りますよ！｣


｢…あ、すみませんっ！ありがとうございます！｣




私と年齢はそれほど変わりはしないであろう男のスタッフさん。


そんな彼に、いえいえ、って応えながら
床に落ちていた資料をまとめた。




A｢あの、良ければ、このまま私も運びますよ？｣


｢ほんとですか？…じゃあ、お願いしようかな。あ、俺、水谷健吾って言います。｣




水谷さんは、そう言って
爽やかな笑顔を浮かべた。




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香り→←ない。

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