好き。...嘘、大好き｡【2】[佐野玲於]

クマ ページ16

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Aside




A｢よし、あのクマだ。｣


玲於｢は？あんな遠いとこ狙うの？｣


A｢挑戦挑戦。｣




そう言って銃を向けた。


一か八か
そんな思いで撃ってみると、私の弾は空を切って。



…ま、そうなるよね。

1列目でなかなか当たらなかったんだから、
後列なんか、難しいに決まってる。




玲於｢はい、Aは景品1個ね。じゃあ、俺は何にしようかな…｣




よし、これ。
そう言って玲於くんが銃を向けたのは
1番後列の、




A｢あっ！｣




…私が狙ったぬいぐるみ。


もらい、って
私のこと見てニヤッと笑いながら、
玲於くんは見事にぬいぐるみを当てた。



というか、すごい。

5発中5発。

全部当たってんじゃん。




玲於｢俺の勝ちね。｣


A｢ムカつく。なんでそんな当たるの？あ、ゲーマーだからか？｣


玲於｢うるさいわ。あー、クマかわい。｣




わざとらしく、見せびらかすように私に向けてくるから
別にいいもんね！って意地を張った。




クマのぬいぐるみ抱いてる玲於くん
ファンの子なら黄色い歓声上げそう。

そんな姿、ちょっと、新鮮。




A｢なんか、ぬいぐるみ抱いてる玲於くん、面白い。笑｣


玲於｢レアだよレア。｣


A｢やめて、笑っちゃう。笑｣




笑っちゃうとかいう前に、もう笑ってるんだけどね。

すると、なんだよって、玲於くんも笑い始めて。




笑いが収まると、




玲於｢ん。｣


A｢え？｣




ぬいぐるみ、私に差し出してきて。




玲於｢…やる。｣




無愛想な顔で、そう言った。




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