好き。...嘘、大好き｡【2】[佐野玲於]

緊張 ページ8

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Aside




｢はい、じゃあふたり向き合って笑いあってみようか！｣




に、にこ。




｢もっとリラックスして大丈夫だよー｣


A｢は、はいっ｣




始まった撮影。

……初っ端からど緊張。


だって、短時間でこんなにもカメラ向けられるのなんて、人生初なんだもの。

七五三でももっと少なかったはず。




まずは白濱さんとの撮影だったんだけど、
私が緊張しすぎてぎこちなくしてるもんだから
大丈夫？って心配そうな顔させちゃった。



初心者の私がモデル代理なんてやっぱり無理な話だったらしく、

始まって何枚も撮ってもらってるのに
カメラマンさんたちが求めてる写真は取れていない。


カメラマンさん、私に聞こえない程度で雑誌の編集の人と話してるんだけど
顔がもう、困ってるの。




……今、私、すごく足引っ張ってる。


ちゃんとしなきゃって思っても、
上手くいかなくて、泣きそうになった。



もうちょっとマシな代役が務められると思ったのに

…全然ダメだ。


踊ってる時はいくらでも表情作れるのにな。




｢……緊張してるみたいだし、少し休憩しようか？｣




そんな現場監督の提案で
15分間の休憩が取られる。




A｢はぁ…｣




使ってくださいって促された椅子に座って
ため息をひとつついた。


GENEの皆さん、この撮影のあと仕事あるらしくて
予定より少し押してるらしい。


急がなきゃいけないのに……




そう落ち込んでると。



────どかっ。




玲於｢……｣


A｢…玲於くん？｣




いきなり私が座るの椅子に座ってきた玲於くん。

突然なんだ、と思っていれば。




A｢…っ！？にゃに！？｣




むにっと
私の頬、つまんできた。




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