番外編〜妊婦LIFE〜 ページ49
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宏光「おいちびすけ、聞こえたか?」
「…」
宏光「パパもママも、お前にはやく会いたくて堪らないんだと」
「…」
宏光「お迎えまでしたんだから、予定日までにはちゃんと出てくんだぞ」
「…ふふっ」
このお迎ええっ ちが効いたのかはわからないけど…
翌朝目が覚めると、なんとなくお腹に張りがあるような気がして。
夕方いつものように買い物をして帰ってくる頃には、「おしるし」たるものがきていた。
「…っ、」
お腹に感じる鈍い痛みで目が覚めた夜中。
時間ははまだ二時を少し過ぎたところ。
感覚はまだばらばらだけど、何度か時間をおいてやってくる痛みに身体を縮こませていた。
宏光「A…?」
背中越しに聞こえる宏くんの声と、伸ばされた腕の温もり。
心配そうな表情が私の顔を覗き込んで、お腹を抱えている私を見て慌てて起き上がった。
宏光「…え、もしかして…?」
「かもしれない、です…」
宏光「うぉっ、マジか!」
スクっと起き上がった宏くんは、さっさとパジャマを脱いで。
走ってどこかに行ってしまった先からは水の音が聞こえる。
宏光「おし、準備おっけー」
準備しておいた荷物を持って、いつでも出れますよ状態の宏くん。
少し様子を見て、病院に電話をした頃には10分感覚の痛み。
はな「あかちゃんうまれるの?」
宏光「そ。はなももうすぐお姉ちゃんだな」
タクシーの中で私の手を握り締めるはなちゃんが心配そうに私を見つめる。
大丈夫だよ、って頭を撫でれば、安心したようにふにゃって微笑んだ。
医者「いい陣痛来てますね」
宏光「…産まれるんすか?」
医者「んー、はやくて今日の夜中ですかね」
宏光「はやくて夜中…」
とりあえずまだまだだから、宏くんは一旦帰ってはなちゃんを保育園に預けてくることに。
すぐ戻るから、って優しく頭を撫でて出て行った。
一人になった途端、さみしさと緊張が高まって。
でもそれと同時に、いよいよ会えるんだ、って楽しみも膨らんだ。
ねぇ、聞こえる?
もうすぐ会えるね。
パパもママもお姉ちゃんも、あなたに会いたくて会いたくて堪らないんだよ。
ママも頑張るから、一緒に頑張ろうね。
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ゆなゆな - ほんとに感動しました。気づいたらもう涙が溢れてて(;▽;) 家族の温かみとか夫婦で支え合う力だったりほんとに泣けます。作者さんに感謝です! (2017年5月1日 23時) (レス) id: eb076903e0 (このIDを非表示/違反報告)
たかはし - これ読みながら大号泣でほんとに感動しかありません!これを書いてくださりありがとうございます。これからも頑張ってください。 (2016年12月24日 2時) (レス) id: c048a22f47 (このIDを非表示/違反報告)
菜那(プロフ) - 初めまして!キミ明日、何回も繰り返し読ませて頂いてます!そして、お疲れ様でした!この作品は家族の温かさを知る事ができました。作者様に感謝です!キミ明日は、終わってしまって寂しいけれど、これからも作者様の作品を読ませて頂きます!作者様、大好きです! (2016年4月16日 22時) (レス) id: 745f785af6 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ - はじめまして。ユミといいます。この作品が終わってもう何ヵ月もたっているんでしょうけれど、あまりにも感動したんでコメントさせてください笑 私、気づいたら携帯握りしめて泣いてました。すごくすごく感動しました。これからも素敵な作品を作ってください。 (2016年4月15日 22時) (レス) id: 80bc047b90 (このIDを非表示/違反報告)
白玉(プロフ) - 涙が止まらないくらいすごく素晴らしい作品でした!!この作品を見て改めて家族のあたたかさを知ることができました。ありがとうございます!これから番外編見させていただきます!応援してます! (2016年2月25日 19時) (レス) id: 961c28ad46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2015年5月4日 22時