キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【8】

繋がれた手 ページ21

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宏光「A、明日ちょっと付き合ってもらってい？」



「いいですけど、お仕事は…？」



宏光「一応明日は有給とってあるんだよね」



「そうなんですか…」



宏光「じゃあ明日は二人ではな送ってく？」



「行きたいです…！」



宏光「よし、じゃあ決まりな。そのまま俺が行きたいとこまで行くから」



「はいっ」














後から聞いた話…



裕太くんと出ていったあの日の朝、私がいなくてはなちゃんは大泣きしたらしい。



















そして、次の日。












はな「Aちゃーん、いくよぉー」



「はーい！」












いってきまーす、って三人で玄関を出た。



今日ははじめて宏くんと二人ではなちゃんを保育園へ送っていく。












宏光「じゃあな、はな。お迎えはまたAちゃんと来るから」



「待っててね」



はな「うんっ、じゃあねぇ〜」












「じゃあねー、だって(笑)」



宏光「未満児の時はあんなに泣いてたのにな」












パパの目で、走ってくはなちゃんを見つめる宏くん。



そんな宏くんが素敵だ。













宏光「……大きくなったなぁ」













隣で呟く宏くんを見つめて。



あなたも充分成長してますよ、って心の中で呟いた。














宏光「うしっ、じゃあ行きますか！」













そう言って差し出された宏くんの右手。



重なるように手を置けば、ぎゅ、ってその手を繋いでくれる。













宏光「電車乗って、ちょっとだけ歩くから」













そう言って二人で歩けば、なんだかどきどきしてきちゃって。



電車に乗れば、そのどきどきが更に大きくなった。













宏光「ねぇ、もしかして緊張してる？」



「…少し」



宏光「ふはは(笑)」



「笑わないで下さいっ」



宏光「ごめんごめん(笑) まぁでも確かに、二人だけで出かけるのって初だもんな」



「そうですよね…、」














どきどきしながらも、しっかりと繋がれた手に幸せを感じながら。



やがて目の前には、お洒落で小さなお店が現れた。






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