キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【7】

宏光side〜ホワイトデー編〜 ページ44

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別に告られたわけじゃないけどさ。



察知してもらう言い方しとく。



ごめんな、山下。














山下「…彼女さん、優しいですね」



宏光「うん、優しいね」



山下「なんですかそれ、惚気ですか？」



宏光「んふ、ごめん(笑)」



山下「あ〜あ。私もはやく相手見つけないと…」



宏光「山下なら見つかんだろ」












ちょっと気強いけど、ちゃんと気配りが出来ていつも一生懸命なこと、俺は知ってる。













山下「……またそういう優しいことさらっと言う…」



宏光「え？」



山下「だから北山先輩はモテるんですよ…」



宏光「ん？なに？」



山下「…なんでもないですぅー！！北山先輩には負けませんからねっ！彼氏出来たら私の惚気も聞いて下さいよっ！！」



宏光「はは、わぁーったよ」



山下「じゃあこれ、ありがとうございました」



宏光「あぁ、今日も頑張れよ」



山下「はいっ！！」














去って行く山下の後ろ姿見ながら、なんかよかったかも、って思った。



山下からのアピール？に応えられないこと、伝えるいい機会だったのかもって。



Aに感謝だ。

















宏光「ただいま」



「おかえりなさい」













いつも変わらない笑顔で迎えてくれる。



おかえり、って言ってくれる人がいるって幸せだ。













宏光「今日渡したよ、お返し」



「喜んでもらえましたか？」



宏光「ん、まぁね」













それならよかったです、ってキッチンから覗かせる笑顔にきゅんきゅんしちゃう俺。



中学生みたいだな(笑)













宏光「…ねぇ、」













ぺたぺたキッチンまで歩いてって、包丁を握るAに後ろからひっついてみる。



危ないでしょ！、ってちょっとだけ怒った顔も愛おしくて思わず唇を寄せる。














宏光「…ありがと」



「…え、何がですか？」



宏光「ん？全部」



「…？」














出会ってくれてありがとう。



好きになってくれてありがとう。



幸せな気持ちをありがとう。














宏光「…ねぇ、ホワイトデーのお返しもう一個あんだけど」



「なんですか？」



宏光「んー…、俺？」



「はい？」



宏光「だぁかぁらぁ〜、おーれ！」



「…」













いつまでもこんな時間を過ごしていけたらいいなー、なんて。



真っ赤な顔したAを抱きしめたまま思ったりした。







Fin...★

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