キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【7】

裕太side〜誕生日編〜 ページ31

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「宏くんには、松井さんとご飯行くって言っちゃいました」












そう目の前で無理矢理な笑顔作って俺に言う彼女。



こんな顔させたいわけじゃないのにな。













玉「そっか。平気？」



「そんなに遅くならなければ平気です。せっかくの裕太くんの誕生日なんですから」



玉「…ん、ありがと」













優しく笑うその笑顔がすき。



ここではじめてキミに出会ったあの日、看板を見上げるキミの横顔が綺麗で。



俺はきっと一目惚れしたんだ。




キミに相手がいるってのがわかったのはそれからすぐだった。



でもそんなことだけで諦めるような性格じゃないから。



だってもしかしたら、俺に振り向いてくれる可能性だってあるかもでしょ？



出会うのが少し遅かっただけだから。









ーーー

ーー

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「おはよう裕太くん」



玉「おはよー」



「ふふ。今日だね、誕生日」



玉「そうだよー、もう25かぁー」













この年になって、こんなに誕生日が来るのが楽しみだなんて。



我ながら恥ずかしいわ。













「ふふ。誕生日おめでとう」













ねぇ、キミは知らないでしょ？



昨日の夜、俺がなかなか寝付けなかったこと。



まるで遠足前の子供みたいにね(笑)













玉「…へへ、ありがと」













キミがそう言ってくれるなら、他の人に言ってもらえなくてもいい。



プレゼントだっていらない。














だからお願い。



俺だけのものになって。



キミのその笑顔を、ずっと隣で見ていたいよ。






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