キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【5】

参考に教えて？ ページ13

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＞明日の日曜動物園行かない？














帰り際に見た携帯に入っていた、宏くんからのライン。



こりゃまた急だなぁ〜、と思いつつも、すでに頭の中は動物園でいっぱいなわけで。















玉「Aちゃん、さっきからニヤニヤしてどしたの？」



「え！？」



玉「もしかして、さっき彼氏さんきたから？」



「…え、いや…違いますよ！」














どうやらニヤついていたらしい、私の緩んだ頬をぺちぺちはたきながら。



今日も駅までの道のりを裕太くんと歩く。















玉「あーあ。明日は日曜かぁー」



「どうしてあーあ、なんですか？日曜ですよ？仕事も休みなのに」



玉「だからじゃん」



「え？」



玉「Aちゃんに会えないからつまんない」



「…は」



玉「んふふ」



「…」















んふふ、って。















「…な、なにを言ってるんですか！せっかくの休みなんですよ？彼女さんとお出かけでもしてきたらどうですか」



玉「あー、うん。そうしよっかな」



「そうですよ。きっと喜びますよ、彼女さん」



玉「Aちゃんなら、どこ行きたい？」



「え？私、ですか…？」



玉「参考に教えて？」



「えぇ…？んん…そうだなぁー…」
















デート、ってことだよね…？



宏くんとデートかぁ…



…あ。



水族館とか、行きたいかも。
















「…水族館、行きたいかもです」



玉「へぇー…水族館。俺も行きたいなー」



「じゃあ彼女さんと行ってきたらどうですか？」



玉「…うん、だね」



「夜は綺麗な夜景とか見ながら食事とか。素敵ですよね」















んー……


考えただけでも素敵。















玉「綺麗な夜景見ながら、食事…」



「ふふ、こんなんで参考になりましたかね？」



玉「うん、すっごくね」



「それならよかったです」


















やがて駅に到着し、今日もぶんぶんと手を振る裕太くんとお別れして。



電車に乗り込む前に、宏くんにラインの返事を送る。














＞はなちゃん、きっと喜びますね。
私も楽しみです。















そんな返事を打ち込みながら想像するのは、はなちゃんと同じように興奮して、はしゃぎ回る宏くんの姿。




そんな彼の姿を思い浮かべながら、ホームに入ってきた電車に乗り込んだ。







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