キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【4】

俺のそばにいて ページ9

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宏光「…俺さ、」












抱き締められたまま、耳元で響く宏くんの掠れた声。












宏光「…お前が好きだ、って気付いた時…すごい悩んだんだ」



「…」



宏光「…芽衣子のこと、忘れちゃいそうで怖かった」



「…」



宏光「…あいつとの思い出が、その内消えてっちゃうんじゃないか、って…」



「…」



宏光「…だから、お前に気持ち伝えられなくてさ…」



「…」












私の背中に回された宏くんの腕に、ぎゅ、って力が入る。












宏光「…それに、お前が結婚してるってわかった時、正直戸惑った。…でも、お前からいろいろ話聞いてさ。守ってやりたい、って…本気で思ったんだ」



「…」



宏光「…お前さ、言ってただろ？真っさらな状態でスタートしたい、って」












宏くんに抱き締められたまま、こくん、と頷く。











宏光「…あの言葉、思い出してさ。お前がちゃんと自分の中で整理できたら…そしたら俺の気持ち、伝えようと思ってた」



「…」













そう言って腕の力緩めた宏くんは、私の顔を覗き込んで。



掌でそっと私の頬を包む。














宏光「……でも、お前が藤ヶ谷に興味あるんだって思ったら、なんか焦っちゃって…」



「…」













切ない表情を見せながら、今度は頬に触れる宏くんの唇。




ちゅ、ってリップ音が響き、恥ずかしくなってまた下を向く。













宏光「…A、」



「…///」



宏光「…ねぇ、こっち見て？」













耳元で響く宏くんのその声は、今までのどんな声よりも優しくて甘い。



声を聞いてるだけで、全身の力が抜けてしまいそうな程。














宏光「……もう一回だけ言わせて」



「…」



宏光「…俺はAが好き」



「…////」



宏光「…ずっと、俺のそばにいて？」



「……っ、」














真っ直ぐな宏くんの気持ちに、思わず溢れてきた涙。




揺れる視界に映る宏くんは、そんな私を見て笑っていて。













宏光「……泣くなって、」













もー、って言いながら優しく微笑んで。



スウェットの袖でぐい、って涙を拭ってくれる。






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逃れられないキス→←期待するよ？

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