キミの嘘も、寝顔も、明日も。-Ki-【4】

そばにいるだけで ページ4

.






宏くんの特製トマトパスタに、はなちゃんがお手伝いしてくれたサラダ。



おかわりもしたはなちゃんが、おいしかったね、って笑顔を見せる。













宏光「はな、なんと今日はデザート付きだぞ」











宏くんのその一言に、ぱあって目を輝かせたはなちゃんは、箱から取り出されたケーキを見て飛び跳ねる。













はな「ぱぱ、ここなんてかいてあるの？」



宏光「退院おめでとう、だよ」



はな「たいいん、てなぁに？」



宏光「病院にいた人が、元気になってお家に帰ってくること。今日はAちゃんのお祝いだな」



はな「おいわい！Aちゃんおめでとう！！」



「ふふふ。ありがとうはなちゃん」
















おっきなイチゴがたくさんのってる、私の一番好きなケーキ。



三人で仲良く食べるこの瞬間が幸せで、大好きで。













「…宏くん、はなちゃん」



宏光「ん？」
はな「ん？」












口にクリーム付けた二人が、同んなじ顔で振り向く。












「…本当にありがとう。私を…ここに帰らせてくれて」



宏光「…っふ。なーに言ってんだよ」



はな「どうしてありがとうなのー？」



宏光「なっ。Aちゃんおかしいのー」



はな「おかしいのー」













ふふふ、って顔を見合わせて笑う宏くんとはなちゃんを見つめる。




二人がそばにいるだけで、こんなにも幸せ。












はな「あー！ぱぱおくちにクリームついてるー」



宏光「そーいうはなだってー」



「…ふふふっ。もう、二人とも〜」



宏光「…」



はな「…」



「…え、なに！？」



宏光「…はな、Aちゃんの口拭いてあげな」



はな「はーい」



「…え？…んぐっ…」



はな「Aちゃんだってついてるよー」



「…うそっ、」



宏光「はっはっは！あー、だめだ。腹いっぱーい！」



はな「はなも〜」











ごろん、て横になった宏くんが慌ててまた起き上がって、急いでエプロン着けてる。











宏光「…だめだ、すぐ片付けねぇと」











そう言っていそいそとキッチンへ。








.

引き締まった良い体→←安心しろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す