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 さらに、瀬見は驚くくらいパーソナルスペースが狭い。イケメンなら許されてしまうのが厳しい現実だ。もうやめてくれ、オーバーキルだ。

「この間なんて、『ゴミついてた』とかなんとか言って女子との距離を急に詰めて肩触ってたんだよ!?少女漫画か!?私は少女漫画の実写化を見させられている!?」
「先輩落ち着いて、どうどう」

 あの女の子の薄く色づいた頬を忘れられない。偶然見ただけだというのに、なんだかのぞき見してしまったような罪悪感に襲われた。
 こうして奴は無意識にファンを増やしていくのである。その中にはもちろん、本気で瀬見が好きな子もいるだろう。

 でも先輩だってよく頭撫でられてますよね、と言う川西を半ば涙目で睨み付ける。分かってない。

「子ども扱いされてるみたいじゃない……」
「ええ……」

 乙女心は難しい。自分自身そう思う。
 入部の日以来仲良くなった瀬見は、よく私を助けてくれた。何しろバレーボールを実際に体験したことがない私は右も左も分からない状態だったのだ、世話焼きでお節介な瀬見は放っておけなかったのだろう。慣れてからはそれもめっきり減ったものの、なんだか今でも私は瀬見にとって「世話を焼く対象」な気がする。
 それは嫌だけど、しょうがねえなあと笑って頭を撫でられると、私は何も言えなくなる。その手の厚みが好きだ。

 分かる、分かるよ。私はあの子の頬が染まった理由を、本当はよく分かる。瀬見は人たらしで有名だし、彼からすれば善意しかないのだ。痛いほど知っているけれど、こちらからすれば、傍らの確かな体温に期待せずにはいられない。

「別に、子ども扱いはしてないと思いますけど」

 ずっと立っていた川西が、私の隣に腰を下ろす。なお高い位置にある色素の薄い瞳と目が合った。

「でも特別扱いもされてない」
「瀬見さんはビックリするくらい平等じゃないですか。男も女も子供も大人も関係なく」
「完璧人間かよ……」

 がっくりとうなだれた。もう怖い。瀬見怖い。

「あれ、諦めるんすか?」
「……なわけ」
「世良先輩ですもんね。意外とど根性タイプですもんね?」
「川西あんた、よく分からない煽り方するね」

 そもそも煽りなのか。いや、別に何でもいい。
 そうだ、絶対に諦めてなんかやらない。奴に気付く素振りがないのなら、無理やり気付かせてやればいいのだ。

「ありがとう川西、今度食堂で何か奢る!」

 モチベーション、再上昇。川西のおかげだ。

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金平糖 - 英太君にフラれた時は1日自分を責めましたね、馬鹿〜って。(作者さんは悪くありません)これからの展開が楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年1月3日 21時) (レス) id: 22491bc67a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ - すっごい面白かったです!瀬見さんカッコいい!続き楽しみです! (2020年4月3日 16時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - 妖精さん» 妖精さん初めまして、ありがとうございます!続き、楽しみにしておいてやってください! (2020年2月5日 22時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
妖精(プロフ) - 瀬見ィィィィィ!後悔しても知らないぞ!知らないぞ!すっごくおもしろくて、これからどうなるかたのしみです! (2020年2月5日 21時) (レス) id: 614bb0e68c (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - コムギさん» コムギさん!ありがとうございますー!励みになります更新頑張りますね〜! (2020年1月27日 5時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さかき | 作成日時:2020年1月24日 21時

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