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目を閉じると、あの夕日に染まった教室が瞼に蘇ってくるからいけない。瀬見のあの頬をそのせいにしてしまうのは簡単だけれど、それでこの胸のわだかまりをごまかせるわけがない。ああ、嫌だ。
川西にはああいったし、彼も励ましてくれたけれど、やはり私は諦めるべきなのだろうか。べき、というよりかは普通そうなのだろう。一度断られてめげないて、どんなメンタリティだ。
第一、もしかしたら瀬見が私を好きかもしれないなんて、希望的観測に過ぎない。それは恐らく乙女なら誰でも抱くもので、いや、しかしそれをあの場で感じてしまうのは、私の感性が狂っているか本質をついてるかのどちらかか……？分からない。分かりっこない。
私はため息をついて、とっくに温まった布団の中で寝がえりを打った。
考えれば考えるほど目が冴える。ダメだ、明日も朝練があるのに。目を堅く瞑って羊の数を数えることにする。単純な私は、案外この子供だましな方法で眠りにつけてしまうのだ。
……と、思っていたのだけれど、どうやらその認識を改める必要があるらしい。睡眠不足の頭で、私はぼんやりそう考える。
羊を千匹ほど数えても意識がはっきりしていたのなんて初めてだ。そのあたりからもう眠ることは諦めて今後のことを考えていたが、結局結論らしい結論も出ず、いつの間にか空が白み始めていた。最悪だ。本当は食欲もなかったが、無理やり食パンをコーヒーで流し込んだ。そして、いつもよりも早い時間に家を出る。
アスファルトを踏みしめているはずなのに、妙に体がふわふわして感じられる。これだから夜更かしは苦手だ。
ぺしぺしと自分の頬をはたく。寝ぼけている場合じゃない。折角早く来たのだから、器具の準備でもしておこう。
鍵の管理を申し出ておいてよかった。重い扉を開けると、そこにはコート二面分の空間がある。
「わっ」
「うぎゃっ」
黙々と作業を進めていると、いきなり後ろから肩を叩かれる。恐る恐る振り向くと、けらけら笑う川西がいた。おー、新パターン、なんて抜かしている。
「何で笑ってんの！？怖い！」
「ひどくないっすか」
「いつも無表情じゃん川西」
「一睡もできなくて寝不足なんでテンション高いんですよ」
そんなことを言う川西は、普段はお世辞にも朝に強いとは言えない。合宿中は最期まで起き上がらず、白布が朝から怒鳴り散らすのが恒例だ。
続く (更新停止中)
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金平糖 - 英太君にフラれた時は１日自分を責めましたね、馬鹿〜って。（作者さんは悪くありません）これからの展開が楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年1月3日 21時) (
レス) id: 22491bc67a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ - すっごい面白かったです！瀬見さんカッコいい！続き楽しみです！ (2020年4月3日 16時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - 妖精さん» 妖精さん初めまして、ありがとうございます！続き、楽しみにしておいてやってください！ (2020年2月5日 22時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
妖精(プロフ) - 瀬見ィィィィィ！後悔しても知らないぞ！知らないぞ！すっごくおもしろくて、これからどうなるかたのしみです！ (2020年2月5日 21時) (レス) id: 614bb0e68c (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - コムギさん» コムギさん！ありがとうございますー！励みになります更新頑張りますね〜！ (2020年1月27日 5時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2020年1月24日 21時
