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「あー、ほら。世良は美少女ってやつだし、引く手数多なんだからわざわざ俺なんかじゃなくても」
「それ以上言ったらぶっ飛ばす。それに、具体例を聞いてる」
「なんでだよ！？具体例かー、し」
「白布とか言ったらなおさらぶっ飛ばす」
「理不尽！お前が言えって言ったんだろ！？」
私に格闘技の経験があることを知っている瀬見が椅子ごと身体を引いた。まさか本気で殴ろうだなんて考えていないけれど、それでも無意識に固めていた拳を解きつつ、私はため息を吐く。
本気かこの男。鈍感だ鈍感だとは思っていたが、まさか自分のことについてまでそうだとは。
「さっきも言ったけどさ、瀬見はかっこいいよ。爽やか好青年だし。優しいし」
「うお、どうしたんだよ……」
「努力家だし。サーブえげつないし。顔整ってるし」
「ちょ、やめろやめろ！」
また瀬見の頬が染まる。色白なそこに鮮やかな赤はよく映えた。
「……あんたが言うような完璧美少女な私がここまで言ってるのに、何が不満なわけ！？」
「その残念な性格をカバーして有り余るほどのスペックを持ってんだからもっといい男探せっつってんだろ！」
「何キレてんの！？」
「お前がな！？」
ああ、気に入らない。いっそのこと好きな子がいるんだ、なんてはにかんだ笑顔でとどめを刺してくれれば万々歳なのに。いくら勝気な私と言えど、勝ち目のない勝負に挑んで嫌われるほど豪胆ではない。
それなのに、微妙に可能性を残すような言い方をするから。瀬見は残酷だ。
「とにかくお前とは付き合えない。すまん」
「……そっか」
あれ、泣きそう。
目の辺りにぐっと力を込める。大丈夫、可愛い。泣くのを我慢したくしゃくしゃの顔なんて、ましてや涙なんて、意地でも瀬見に見せてやらない。
ねえ、瀬見。私はあんたのそういう、相手を尊重するところが好きだけど嫌いだよ。喉にせりあがる言葉を飲み込んで、私は精一杯綺麗にほほ笑んでみせた。
「分かった。この話は終わり。部活行こう」
瀬見からの応答はない。そのくせ、奴は私の顔を凝視していた。
「え、なに」
「……あ、え、いや！すまん！よし行くか！」
わたわたと両手を意味もなく動かす、その顔は今までのどの赤面よりも真っ赤。まるで火がついたみたいだ。へんなの。
連れ立って教室を出る。恐る恐る絞り出した「これからも一緒にいてもいい？」に瀬見が約束だと言ってくれたことだけが、せめてもの救いだった。
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金平糖 - 英太君にフラれた時は１日自分を責めましたね、馬鹿〜って。（作者さんは悪くありません）これからの展開が楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年1月3日 21時) (
レス) id: 22491bc67a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ - すっごい面白かったです！瀬見さんカッコいい！続き楽しみです！ (2020年4月3日 16時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - 妖精さん» 妖精さん初めまして、ありがとうございます！続き、楽しみにしておいてやってください！ (2020年2月5日 22時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
妖精(プロフ) - 瀬見ィィィィィ！後悔しても知らないぞ！知らないぞ！すっごくおもしろくて、これからどうなるかたのしみです！ (2020年2月5日 21時) (レス) id: 614bb0e68c (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - コムギさん» コムギさん！ありがとうございますー！励みになります更新頑張りますね〜！ (2020年1月27日 5時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2020年1月24日 21時
