【 BL 】天狗の花嫁。【名前変換オリジナル】

FOURTEEN ページ17

「そんな俺怖かったん？」

鬼怒は俺の怯える姿を見て響鬼に聞いた。

「おー、姫、震えとったわ。ほんまにコイツ姫なんか？臆病過ぎやろ。」

「当たり前やろ、めっちゃえろいんやで。」

コイツらなんの話してんの。

「お前なにしとんのや。」

「«自主規制»。」

『死ね。』

「…え？妊娠したんやろ？ん？」

『うるせぇ。』


少し、時間を置いて鬼怒がなにか考え出した。

「…そんな怖かったんか…加減しとるんやけど…。」


「いい加減隠居しろ、ジジイ。」

月詠が独り言を口にした。でも、わざと聞こえるような声量で。

「桜ノ宮姫に一度愛されたからって調子乗るなや、子狐。

Aからしたら、月詠はただのご先祖様やで、諦めーや。」

どうやら、仲が悪いらしい。
なに？子狐？

月詠がご先祖様？

『何それ。聞いてない。

月詠はじいちゃんのじいちゃんのじいちゃんの…みたいなのってこと？

つか、なに子狐って。月詠、大人だろ。』

「私が説明致しましょう。」

狂亜が俺の前に出て、そういった。
見慣れた住宅街もパッと消えて、大きな桜の木がある。

横には、狂亜がいて、鬼怒は俺にくっついてた。
後ろには水凛と響鬼、月詠が立っている。

桜の下には赤ちゃんを抱えた女の人と妖狐がいる。
鬼怒はそれを見て、舌打ちをした。

「彼女は初代桜ノ宮姫、京佳様。その隣にいる妖狐はここにいる月詠です。」

俺はその女の人の顔を見て、驚いた。

『…この人俺の母さん…？』

見たことはない、だって俺を産んで死んだから。
遺影でしか見たことがない。

「似ていますが、違います。12代桜ノ宮姫ですね。
ですが、三代目以降は霊力が低く、私共を見ることが出来ませんでした。

ですが、悪神の封印が解かれるのが近づいてるからか13代目にして千年前と同じように霊力を持った姫が誕生しました。」

『…へ、へぇ…。』

…全然わからん。

「月詠はそうですね。姫とはお爺様のお爺様の…という関係です。

子狐は単に鬼怒が月詠より歳上ということです。
月詠がまだ妖狐として幼かった頃から、鬼怒の姿は今と大して変わらないです。

鬼怒は自分でも理解していないほど、長く生きています。」

ぱっと、景色が変わって黒髪で髪の長くて高身長で黒い羽を持った男が映った。

『千年前の鬼怒…？』

「せやで。今の方がイケメ…」

『昔のほうがカッコいい。』

「髪染めよかな…。」

背後ですすり泣く声がした。

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