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「榎本ッス、よろしくおねがいしゃーっす」
「五色工!タメで良い、よろしく」
ピッチリ揃った前髪を靡かせ、歩き出す五色に慌ててついていく。
中々の顔面偏差値だな、イケメン。
戸惑っていたときに穴原先生が五色を貸してくださった。ありがたい。
「白鳥沢流石だよねー、設備が立派」
「バレーやるための環境が整えられてるからな」
「五色のストレートも立派だよね、キレキレの」
先程のプレーを思い出して印象を伝えると目を輝かせ始めた。
「レシーブも安定してるよね、サーブの威力もすげえし」
「···っん!!まぁな!」
「スパイクのフォームも綺麗だよね、肘がしっかり上がってて惚れそう」
褒めちぎると震えだし頬を赤く染めていた。
褒められて伸びるタイプか。これは上げて落とす方が楽しそうだな。
「ビブスってどっから貰うの?」
「あぁ、多分先輩方が練習で使ってるから言えば貰えると思う」
緩みきっていた顔を元に戻し体育館の扉をあけた五色に続いて私も入る。
「しアッス」
「五色、女連れて体育館か。良い身分だな」
「川西さん!やめてくださいよ!!そんなんじゃないです!」
天童さんじゃ無い方のMBがスクイズボトルを持ちながら扉のすぐ近くに立っていた。
この人もイケメンだなぁ...白鳥沢の顔面偏差値たっけえな。青城も負けてねえけど
「どーも五色の彼女やってます、青城のマネでーす!」
「五色、抜け駆けか」
「こいつ全然手ぇ出して来ないから私から攻めるんですけどー」
「榎本黙れ、白布さんが此方に来るんだよ、殺される!!」
汗をダラダラ垂らしながら、私の口を手で塞いだ五色の顔は真っ青だ。
わぁお、大胆。なんて軽口を叩く余裕が無いほどガッチリ塞がれた。苦しいって!
後ろから抱き締める形でホールドされているものだから動けない。
おいコラ離せや。
「五色、テメエ何やってんだよ」
「あっ、いえ、あの!ビブスを借りに来ました!!」
「ふーん、そんな格好でか」
白布さんに指摘されると慌てて手を離された。
「五色、苦しいって...あ、青城の榎本ッス」
空気読めないって?知ってる。あえてだよ!(元凶)
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作者名:SparK | 作成日時:2018年8月25日 22時