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友との再会 ページ40

ほ、本物だ


私は黙っていると、鈴の音が聞こえた


この音は…


音をした方を見ると、そこには茨木童子が突っ立っていた


「酒呑童子!女!」


茨木童子だ! なぜかその姿を見ただけで、私は心が舞い踊った


ん?何で、喜んでいるの?


まあいいっか。約束果たせたし


…もう、会えないな


そう思うと心がチクリッと痛み、苦しかった


「げ、茨木童子…」


酒呑童子は顔を歪み、ハッとしてこちらを凄い形相で見た


「貴様!茨木童子と組んでいたのか!」


あっそうだ!この鬼、茨木童子のこと…


「だって会いたがってたから…つい、ね?」


ごめんなさーい!心の中でそう叫んだ


多分、伝わっていないだろう


「ああ…我が友よ!会いたかったぞ!」


「あああああまとわりつくな!煩わしい!」


茨木童子は物凄い勢いで酒呑童子に抱きついた


…こんなキラキラモードの茨木童子、見たことない


「さあ早く!私と戦おうではないか!そして私を強く打ち負かしてくれ!」


「断る!そして俺様に近寄るな!」


「…何なの、この茶番劇は」


あの冷静無着感があったあの酒呑童子が掻き乱されるのは、凄いわ…


さすが茨木童子


内心どこかで納得した


「我が友よ!私は何処へでも君についていこう!そして私を強く!そして熱く!支配してくれ!」


「茨木っ貴様はいつもいつも!邪魔しやがって!」


…ギャンギャン騒いでの感動の再会だ、私は邪魔にならないうちに帰ろう


茨木童子が待ち望んでいた時間だ、水を差してはいけない


私は立ち上がり、足早とその場を走り去った


「さよなら、茨木童子」


__________________________________________



「おい、茨木。あの女は一体誰だ」


「ああ!彼女は私の…」


茨木童子は先程までそこにいたはず女の方を見たが、いなかった


「すまない、先程までここにいたはずなんだが」


茨木童子は酒呑童子から離れ、あちこちと辺りを見回し始めた


酒呑童子は離れた隙に逃げようと思わなかった


否、驚きのあまり逃げるなんて頭の中になかったのだ


酒呑童子自身と戦いにしか興味なかった茨木童子が、先ほどのひ弱な人間の女を探し始めたのだ


それは少なからずあの女に興味がある証拠だ





*訂正(2回)

人も変わるならば鬼も変わる→←その名は酒呑童子



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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