【陰陽師】女子高生と茨木童子

裂け目の向こう側 ページ2

「いたっ！？」



暗闇の空間にあった裂け目に突撃し、外へ着いた私






…いや、放り投げられたっと言った方が正しいかもしれない







勢いよく草むらに叩きつけられたのは運が良かった






もしこれで地面だったら…想像はしたくない





「ここは…どこ？」





辺りを見回すと、ひっそりとした樹木が生い茂り空には大きい満月が輝いていた






私の知っている場所では……ないな






自然豊かなここはどこかの山だろうか？









「穴に落ちた時は夕方だったのに」







いつの間に時間が経っていたのだろう？







穴を覗いた時の場所も時間も全く違うここは、時代さえ違うのではないか？と疑うほど雰囲気が異なった








私は立ち上がり、膝上のスカートの汚れをはらった








「どうしよう、帰りたくても…」






ここがどこなのかわからない







家の方向もわからない






行動を起こしたくても、こんな視界の悪いところで無闇に動いたら危険に違いない







「熊出てきたらどうしよう…っ」






山、だよね？食べられちゃうっ









穴から落ちた時からずっと嫌なことしか頭に浮かんでこない！







好奇心で穴を覗かなければよかった…







1人で落胆していたその時、







ガサガサガサッ






草の茂みから何かが動く音が聞こえた








な、なになになになになに！？







思わず後ずさり、得体の知れない物体の出現に警戒した







く、熊ではない！大きさからして熊ではないよね！？







どんどん物音が近くなってきた____________！








「もう、イヤ…！」





私はこれ以上ない恐怖で目を瞑る







草むらからにゅっと出てきたのは…

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