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不穏な空気 ページ43

もう終わりだ、と諦めたその時


「フンッ!」


何処からか現れた鬼…茨木童子が軽々しくその大きな岩を割った


「茨木童子!」


岩が木っ端微塵になり、姿がよく見えなかったが確かに、あの白銀の髪は茨木童子だ


どうしてここが…?でも、助かった


「雑兵どもめが…!消え失せろ!」


茨木童子は高らかに手のない右腕を上げた


すると、そこにエネルギーが集まり手を模った漆黒の手が現れた


それを地面に叩きつけたと思えば、悪鬼達がいるところにその手が、地面から現れ


「グギャッ!?」


跡形も無く、____握り潰した


「グアア…ッ」


周りにいた悪鬼達も地面から現れた手の衝撃波に耐えられず、消滅していった


私は呆然と立ち尽くして、見届けることしかできなかった


「無事か?A」


茨木童子は背後に突っ立っている私の方へ歩いてきた


「う、うん!助けてくれてありがとう…て、酒呑童子は!?」


私より大事な友達を置いてきたの!?


「彼なら酒を飲んでいる…打ち負かしてくれと頼んでいるのだが、相変わらず無反応だ」


困ったことだ、と茨木童子は無表情でため息をついた


…十分困っているのは酒呑童子だよね


何か、2人に申し訳ないことしちゃったな


私が悪鬼に見つかったせいで…


「二度も茨木童子に助けて貰っちゃった、ありがとね」


私は微笑する


「せっかく酒呑童子に会えたのに、ごめんね。私が悪鬼に見つかったばかりに、迷惑かけちゃった」


茨木童子は小さく首を横に振った


「案ずるな、大したことない」


「そっか」


茨木童子は私の顔をじっと見つめた


な、なに?私の顔に何かついてる?


だが、目を逸らせず私も黙ったまま見つめた


「……」


何か考えごとをしているのだろうか?


いや、…茨木童子の目には何か悩みがあるように見えた


根拠はない、感覚でそう思った


どうしたんだろう?


周りの静けさが沈黙の2人を見守る


太陽の光もあまり差し入らないから、少し薄暗い


すると、茨木童子から沈黙を破った


「ついてこい」


そう言い、私に背を向けて歩き出した


「どっどこ行くの?」


私は慌ててその背中を追った


唐突だな…まあ、また助けてもらったし黙っておこう


私は先程自覚してしまった想いを必死に押し込めた



*訂正

向かう場所→←絶体絶命



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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