【sha】超能力者【wrwrd/ぴくと/男主】 (ページ6)

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sha「好き」ページ6

sha視点

「───おい、行くぞ」

幼馴染の斉木A、冷静で喜怒哀楽が現れない男

「───鈴黄」

低くて心地の良い声。私より色の薄い茶髪、私と同じ黄色の瞳

「斉木A君」

初めて会った時、彼と運命なんじゃないかって思った。彼といると心が締め付けられて、素直になれない

「───猿山先輩」

他の奴と話してるとき。特に青陰キャと話してるとき楽しそうなのがムカつく
私には見せない一面を見せてるのが嫌

「───僕にとって御前が1番特別だ」

アイツは小学生の頃、虐められている私にそう言った。校舎裏で泣いてるところに誰よりも早く来て、誰よりも暖かく優しい言葉をくれた

「───おやすみ」

1回だけ、1回だけだけど私に笑いかけてくれた
熱を出してて、寝込んでいたからあまり覚えてないけどとても優しい笑顔だった

「───…」

私が一方的に怒っても怒ることなく、私を傷つけることも無く聞いてるだけ
本当は私が悪いってわかってるのについ、甘えちゃう

「───…！」

最近、ぼっーとしちゃってるとこも好き
小・中学生の頃はキリッとしていて誰にも心を開かない高嶺の花みたいだったけ
あの頃もかっこよかったな

「───ぐちつぼ、御前が止めてこい」

他人に人任せなのも好き
意外に面倒くさがり屋で、嫌な事は極力避けてる

「───鈴黄、危ないぞ」

人に興味無さそうで1番人想いな人。私が轢かれそうになった時、引き寄せてくれてありがとう

「なにやってんやろ、私」

Aのことを考えていたら心が苦しくなったのでやめる
ふと、我に返り立ち上がる

「母さん！バットってあるよなー？」
「あるわけないやんけ！自分で買ってこいや！」

気分転換に野球をしようとしバットの在処を聞くとないと答えられた
塩対応すぎん？

「そや、斉木君家にこれ届けに行きぃや」
「はー？面倒くさ」
「何言ってんだこいつ。前に斉木君におぶられて帰ってきたのはどこのどいつやねん」
「…別に頼んでへんし」
「ヒーヒー言っとらんではよ行け！」
「おわっ」

Aに前借りを作ったのがバレ、家に菓子を届けろと追い出される
中に入ってるのはコーヒーゼリーだ

「アイツこんなもんが好きなんか」

そういえば、学食の時とかにチラ見してたりしたよなと思い出す
一緒にスイパラに行った時だって顔が緩んでた

「可愛く奴…ってなんちゃって」

独り言を言いながら家のインタホーンを鳴らす

「A君、いませんかー？」

この話に特に意味は無いです