【sha】超能力者【wrwrd/ぴくと/男主】 (ページ4)

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「馬鹿だった」ページ4

A視点

天乃純と最初に出会った時、僕は焦った
超能力が無くなったんじゃないかとな
まぁ、それは無駄な心配だったが
使えない理由は探さなくともすぐに分かった。彼女は最高級の馬鹿だったからだ

「んでねー、そこで店長がぁ(5回目)」

馬鹿は怖いとこの瞬間僕は思った
本当に馬鹿は怖い

「あれ、聞いてる？A君」
「───聞いてる。5回も聞いたぞ」
「あれ？！そうだっけ」
「───嗚呼」

彼女は周りから浮いており、クラスで1人だ
僕も同じクラスで1人だった。決して彼女みたいに浮いているからではないがな
そんな彼女は僕に仲間意識を持ったのかそれ以降話しかけてくるようになった

"「斉木A君だ、だよね？」"
"「純って呼んで、私もA君って呼ぶから」"

懐かしいな
あの頃は彼女の異常さには気づかなかった
彼女の馬鹿の中の何処が異常だって？
彼女の何処が、異常なのかと言うと

「あ、A君。昨日午後7時0.9秒から午後8時12分35.7秒まで新作の「RとFB」って言う地味なドラマ観てたよね！面白かった？」

こういうところである
彼女は馬鹿で俗に言う僕のストーカーであった
それこそ本当の僕の恐怖であった
むしろ、恐怖を感じさせることが出来る、滅多に恐怖を感じない僕がだ
いつどこで彼女に見られているか分からない恐怖があった
だから、僕は常日頃から彼女と過ごすようにしている
まぁ、それだけではなく彼女の馬鹿さも異常だがな

「───嗚呼、特に主演の山崎○人が良かったな」
「ふーん私も見てみよっかな」
「───おすすめする」
「私、山崎君好きなんだぁ〜斉木君って似てるよね」

山崎に似ているのは光栄だな

「賀○賢人に」

そっち？！
いや、今の流れ的に山崎○人じゃないのか？
そう思ってると彼女がまた変な事を言い始めた

「てか、今日A君の家言っていい？」
「───なぜだ？」
「えー…なんでだと思う？」
「───ちなみに、兄がいるから行かせやしないぞ」
「え〜A君ソンナコト考えてるの〜？エッtち〜！」
「───考えてないから安心しろ」

もし、考えても御前では考えないしな

「まぁ、私はA君のお兄さんが居ても？ソンナコト出来るけどね」
「───僕が御前とは出来ないから断っているんだ」
「は？なんで？」
「───付き合ってないからだ」
「別に、将来付き合うからいいでしょ」

凄くコイツには恐怖を感じる
恐怖って言うか馬鹿の中に隠された狂気を
はぁ…なんで僕の周りにはまともな女が居ないんだ