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『晋助!椿だ』


「知ってらァ」


『もしかしてここに連れてきてくれたの?』





頷けば「ありがとう」と頬を染めて微笑むA。
この椿を見て、自分の色を見つけるのもいいかもしれねェな。と一人考え、先を走って椿の匂いを嗅いでいるAの後ろへと立った。


彼女の好きな白い椿を刀で茎から切り落とす。それを渡せばまた笑って手に持った。




『さっきの話の続きだけどね、晋助は花がすっごく似合うと思うんだ。私の好きな花で言えば、ーーー白い椿かな』


「白?」


『うん。白い椿の花言葉は、"完全なる美しさ"。晋助は綺麗だから』





ーーー果たして俺がんな綺麗な色なのか。……白なんざという純粋な色では決してないだろう。


赤と白の椿を両手に持つ彼女は二つを合わせてもち儚げに笑う。




『白い椿ってね何色にでも染まるの。
昔見たテレビでね、血を浴びた椿が赤くなってた。その時は怖いなぁってイメージしかなかったけど。いろんな色に染まるほど白い椿って綺麗なんだろうなぁって』


「それをいうんならお前ェは赤か」


『え?』





赤い椿は、"気取らない優美さ"を示している。
決して気取らない此奴が魅力的なのだ。




『ん〜、そうだね。なら、私は赤い椿になる』




『晋助を染めれるぐらいの赤に、なりたい』





Aは新しく椿を手で取ると俺を見る。その手には赤と白が綺麗に混ざっている椿の華。

雪が止み、空を覆っていた雲が晴れて行き太陽が顔を出す。光に照らされるAはーー言葉にならないほど美しかった。




「なら、俺をお前色に染めてくれ」


『…………っん』




その形のいい唇に自分のを重ねた。






別れと出会いの春が過ぎ

君と過ごした夏の思い出も

愛を知った秋の匂い

冬空の下、二人で分け合った体温も




君と過ごした春夏秋冬は
私の体に深く刻み込まれて残っているよ






ーーー冬眠に入っていた動物たちが温かい日差しを感じて顔を出す。





さぁ、また春がやってくる



Fin.

土方十四郎【中村】→←高杉晋助【美桜】



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設定タグ:銀魂   
作品ジャンル:アニメ
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あくび少女 - こんな綺麗な物語、いつか私も書きたいです。 (2019年7月20日 22時) (レス) id: 1b61770dea (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 今までどの作者さんも好きでよく拝見させていただいてました。今では、憧れから自分の小説を書いているのですが、皆さんの素晴らしさを身に染みて感じました。(宣伝みたいですね……ごめんなさい。)これからも沢山の作品を楽しみにしています! (2018年2月6日 22時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
うおーあいにー(プロフ) - 私が今まで見たことのない位の語彙力と素敵な言葉でできていました! (2017年12月9日 8時) (レス) id: 7ec2bdde97 (このIDを非表示/違反報告)
みぷ(プロフ) - 文章一つ一つが綺麗で、とっても素敵だなと思いました!表現や言葉にも意味が詰まっていてぜひ参考にしたいなと思う作品でした!次の企画があることを楽しみにしています! (2017年7月28日 18時) (レス) id: 941945c1ec (このIDを非表示/違反報告)
戦胡蝶(プロフ) - 本当に綺麗な言葉で綴られたお話ばかりで全部一気に読んじゃいました!素敵なお話ばかりで心がほっこりしてます!!素晴らしい作者様ばかりで私も見習わないとと意気込んでおります(笑)またこういう企画を行ってくださるのを楽しみにしてます! (2017年7月27日 13時) (レス) id: de5c5c0c62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しののめ x他4人 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/aoikasou/  
作成日時:2017年7月1日 1時

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