七十色 ページ34
「ツムル、A先生に負けたの？」
「イチョウだってオリアス先生に負けたじゃん」
「あれはオリアス先生の家系能力のせいで肘が滑って…
それよりエイトもA先生に負けてたけど絶対手加減したでしょ」
「手加減するつもりはなかったんだけど予想以上にバカ力で油断した…」
すでに大敗を喫した兄と先輩2人は何もする事がなく、誰に賭ける？なんて話をしながら暇そうに同僚の戦いを見ていた。
BブロックのAはその物理的な女子力により、順調に準々決勝まで勝ち進んでいた。
Aブロックにはカルエゴやバラムが残っている。決勝戦までは魔術は使わないと決めていた。
決めてはいたものの、Bブロックには“ヤツ”がいる。
「いやぁ…まさか準々決勝でA先生と当たるとはね、悪魔は見かけによらないものだ」
「ダリ先生は予想通りですね！」
「僕は君に甘いお兄さんや先輩と違って泣かす気でいくからね」
思い返せばダリの前ではうまくいかない事ばかりである。
頼れる上司である一方で、どうも手のひらで転がされている感覚が否めないAにとって、ほんの少しだけ気持ちで負けていた。
そんな中、放送師団のアナウンスが鳴り響く。
———最新情報です！理事長から賞品の発表です！
えー…賞品はウォルターパークのチケットだそうです！
Aは思った。
(行きたい！！)
それも自分の財布の紐を緩めず、
単純なAがやる気に満ち溢れていた頃、ダリはいつもの笑みを浮かべていた。
試合の時間となり、Aは警戒心とほんの少しの動揺を抱き、机に肘をつく。
そして、手を握り合った際の違和感。
今までの対戦者と違いダリのAの手を握る手はあまりにも優しかった。
「僕はありのままのA先生でいいと思うんだ」
「…はい？」
「君、この前胸が大きくなる薬買ったでしょ」
「なななんでそれを！？」
Aにしか聴こえない絶妙な声で呟かれた言葉はAを動揺させるには十分だった。
思わずダリの手を離してしまい、再び放送師団のアナウンスが鳴り響く。
———A先生、手を離してしまった事により失格です！！勝者ダリ先生！！
我に帰った時にはすでに勝負はついていた。
"君の隣に住んでいるからね"そう言いながら笑うダリが憎い。
「ずるい！」
「君はもう少し頭を使う事も学んだほうがいいね」
勝者であるダリにこれ以上何も言えないAはただ不服そうに頬を膨らますしかできなかった。
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国 - とっても面白くて一気に読んでしまいました〜！夢絵も最高で今度FA描かせていただきたいです！ (9月27日 10時) (
レス) id: e6c6916d6f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 次の話しを楽しみにしてます！ (8月20日 7時) (レス) @page41 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ちょっと見れてなかったので、腕へし折り大会から見ました！ダリ先生悪〜い悪魔ですね（好き）買収される入間くん&買収するダリ先生(笑) ウォルターパーク楽しみにしてます！ (8月18日 22時) (レス) id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - 胡蝶有希さん» 胡蝶有希さん、コメントありがとうございます・・・！これからも少しずつ更新しようと思ってます！！ゆっくりではありますが楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - あすかさん» お返事遅くなってしみません(涙)少しずつですが更新再開しようと思っているのでよかったらこれからもよろしくお願いいたします！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田山本 | 作成日時：2023年1月13日 22時
