六十八色 ページ32
厳格な教師、ナベリウス・カルエゴの苦悩は絶えない。
新任の2人はおバカで無節操な上に事あるごとに問題を起こす問題児クラスの担任である。
そう、大切な事なのでもう一度言うが、ナベリウス・カルエゴの苦悩は絶えないのだ。
そして今日の彼は一段と機嫌が悪かった。
「この学舎で教鞭を振るう責任は大きい！！
常に粛に！厳粛に務めるべき職務である———…！！
よって！！」
カルエゴはこめかみに青筋を立て、牙が割れるのではないかと思うくらい食いしばっている。
そして腹の虫がおさまらない様子でさらに続けた。
「こんなアホそうな行事には断ッ固として参加したない！！」
無事終末テストも終わって、教師たちの業務も通常に戻り、あとは終末日を待つだけとなったこの頃。
食堂に特設会場が設けられ、観客として多くの生徒が集まっていた。
苛立つカルエゴの後ろには“第一回バビルス教師陣 限界！腕へし折り大会”と書かれた看板が飾られている。
「仕方ありませんよ！教師全員強制参加なんですから！」
ツムルはそう言うと、げっそりとした様子で今にも飛び出していきそうなカルエゴの肩を必死に掴んだ。
「何を考えとるんだあのアホ理事長！！」
こうして理事長の発案により、バビルス教師陣による"腕へし折り大会"が開催されたのである。
"腕へし折り大会"とは、対戦相手と手を組み合い肘をを机につけた状態で互いの腕を押し付け合う力比べ…つまり腕相撲だ。
もちろん魔術の使用は許可されているので魔界の腕相撲は命懸けなのである。
「A先生！」
「入間くん！皆も見に来てたんだ！」
問題児たちはAを見つけて駆け寄った。
「……大丈夫ですか…？」
イルマの心配そうな声にAは一つあくびをしながら口を開いた。
「サリバン理事長…いきなり言うから準備大変だったよ〜」
やっと通常業務に戻ったと思いきや、いきなり授業の調整や特設会場の準備などの仕事が増えたのだ。
Aたち教師からしたらたまったものではない。
しかし、イルマは"そういう意味じゃなくて…"と少し言いにくそうに言うと言葉を続けた。
「…A先生…腕へし折られちゃうんですか？」
「え？」
Aはイルマが見下ろすほど小柄な悪魔である。
その愛らしく人懐っこい性格で悪魔を籠絡する事はできても、ハイランク悪魔を相手に力でねじ伏せる事はできないだろう…そう思っていた。
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国 - とっても面白くて一気に読んでしまいました〜！夢絵も最高で今度FA描かせていただきたいです！ (9月27日 10時) (
レス) id: e6c6916d6f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 次の話しを楽しみにしてます！ (8月20日 7時) (レス) @page41 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ちょっと見れてなかったので、腕へし折り大会から見ました！ダリ先生悪〜い悪魔ですね（好き）買収される入間くん&買収するダリ先生(笑) ウォルターパーク楽しみにしてます！ (8月18日 22時) (レス) id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - 胡蝶有希さん» 胡蝶有希さん、コメントありがとうございます・・・！これからも少しずつ更新しようと思ってます！！ゆっくりではありますが楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - あすかさん» お返事遅くなってしみません(涙)少しずつですが更新再開しようと思っているのでよかったらこれからもよろしくお願いいたします！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田山本 | 作成日時：2023年1月13日 22時
